ハマスとイスラエルの間で大規模な軍事衝突が起きているが、その原因は「イスラエルとサウジアラビアの国交正常化に向けての動き」にあるとも考えられている。この争いの「キーマン」であるサウジアラビアについて、現代イスラム研究センター理事長の宮田律氏に聞いた。
━━サウジアラビアとイスラエルが国交正常化交渉を進めている一方、サウジアラビアがハマスを支援しているという話もある。サウジアラビアはどちらの味方なのか?
サウジアラビアのムハンマド皇太子は経済発展のためにイスラエルとの経済協力・国交正常化を考えている。
しかし、その父親であるサルマン国王は“パレスチナの大義”を大事にしており、「イスラム教の聖地であるエルサレムを占領するイスラエルと国交正常化するのはいかがなものか」と考えている。また、サウジアラビアの一部の篤志家たちはハマスなどの過激派に資金援助してきた。現在でも資金援助があるのではという印象を持っている。
━━サウジアラビアにとって、今回の衝突は想定外だったのか?
サウジアラビアはイスラエルとの国交正常化交渉を進めたいと思っていたが、ハマスの攻撃で相当やりにくくなった。さらに、これからイスラエルが地上侵攻して一般市民に犠牲が出るような事態になれば、イスラエルと協力することに対して、サウジアラビア国内でも反発が起こってくる。
「サウジアラビアは『イスラム諸国の盟主』を自認しているにもかかわらず、イスラムの敵であるイスラエルと手を結ぶのか」というような声も起こってくるはずだ。
(『ABEMAヒルズ』より)
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