イスラム組織「ハマス」とイスラエルの間で大規模な軍事衝突が起きている。ハマスが攻撃を仕掛けた背景について現代イスラム研究センター理事長の宮田律氏に聞いた。
━━ハマスとはどのような組織なのか?
1987年にイランに影響されて活動を開始した組織だ。政治や社会の中心にイスラム教を据えて、正義や平等を実現していこうと考えている。彼らはイスラエルの存在を認めず、“イスラムの聖地でもあるエルサレムをイスラエルの占領から解放する”ことを目指している。
━━ハマスとパレスチナ自治政府との関係性は?
仲が良いとは言えない。2006年にハマスは日本の国会に相当する立法評議会選挙で過半数を取得したが、対立が起こり、ガザに移動して実効支配するようになった。対して、パレスチナ自治政府はヨルダン川西岸を支配している。
━━ハマスが大規模攻撃を仕掛けた背景は?
ガザ地区はハマスが実効支配した2007年から今に至るまでイスラエルが経済封鎖している。種子島より狭いエリアで200万人以上が生活しており、人や物資の搬入も自由にできず、水・電力もイスラエルがコントロールしており、食料も8割がた国際的な援助に頼っている状態だ。“世界最大の監獄”とも呼ばれる。そんな窒息しそうな状況の中で人々は暮らしてきた。その鬱積した思いが爆発したとも分析できる。一方で、生活が一向に良くならないため、『ハマスに対する人々の不満』もある。そんな人々の目を逸らすために今回の攻撃が行われた、という面もあるのでは」
(『ABEMAヒルズ』より)
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