“虐待禁止条例”改正案撤回も 自民・埼玉県議団長「問題があるとは思っていない」 小林史明衆院議員「条例ではないやり方もあったのでは」
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 子どもを1人で留守番させたら虐待とするなどとして批判が殺到した埼玉県の虐待禁止条例の改正案が、10日に撤回された。

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 小学3年生以下の子どもに対する禁止事項の具体例として示されたのは、子どもだけで公園で遊ばせる、子どもだけでの登下校、子どもだけのおつかいなど。これらの「放置」が虐待にあたるとし、罰則は設けないものの県民に通報を義務付けるとしたことで、「厳しすぎない?」「共働きで子育てしてる親にとっては難しい」「ほとんどの家庭が条例違反になるよ?」と物議を醸した。

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 とはいえ、今回の改正案は本当に無意味なものだったのか。「条例の構成自体に問題があるとは思っていない。私の説明不足がこのような状態になっている」と述べた自民党県議団の田村琢実団長が、10日の『ABEMA Prime』に出演。これまでの経緯や今後の取り組みについて聞いた。

 田村団長はまず、「私どもが2017年に制定した埼玉県虐待禁止条例の第6条で、養護者の安全配慮義務というものを明記した。これを怠っている様々な事例があり、様々な課題がある中で今回放置について追記させていただいた。安全配慮義務を説明することなく、改正部分だけに目が行くような説明をしてしまったのは私の責任だと感じている」とコメント。

 「各ご家庭で安全配慮義務を守っていただいているものは放置ではない」とするが、明確な線引きができるのか。「子どもの発育状況や年齢によってオペレーションは違うし、ご家庭の事情や住んでいる地域によっても変わってくる。そこで“安全配慮義務はこういうものだから徹底してください”とは言えないので、弾力的にさせていただいたが、具体例で答弁してしまったがゆえにこのような状況になってしまった」という。

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 安全配慮義務を怠っているかが第三者からはわからない中で、通報を義務づければ混乱につながってしまったのではないか。「外見上わからないので、逆に通報が増えるとは考えていなかった。ただ、車の置き去りについては明確に怠っていると言える。国の虐待の定義として、放置については“長時間の放置”しか禁止していない。しかし、私どもは短時間でも危険な放置はあると認識している」との見方を示す。

 自民党デジタル社会推進本部事務局長の小林史明衆議院議員は「子どもが寝ているから、エンジンをかけたまま鍵をかけてちょっとお手洗いに行く、ということはあるだろう。それはバツな事例ではないと思う。そういう個別のケースよりも、なぜ埼玉でこの条例を作ろうと思ったかが共有されるべきではないか」と指摘。

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 田村団長は「去年埼玉県であった放置による虐待事案は440件。これはわかっているだけの数だ。子どもの車内の置き去りや、家庭での置き去りで火事が発生している事例を聞く度に、この積み残した課題は議論をしていかなければいけない、政治課題として子どもたちの安全を守っていく必要がある、ということでスタートしている」とした。

 改正案に対しては、「条例が浸透していくことで、徐々に放置に対する事例が少なくなっていくことを期待していた」「子どもを遊ばせる時のオペレーションを今一度見直してほしかった」という思いもあったということだ。

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 小林議員は「新しいルールを作ることで住民の意識を変えたい、というのがやりたいことだったのだろう。ただ、法律などで人の行動を制限する場合、なるべく最小限であることが前提だ。今回、受け取り手がどう感じるかを考えれば、条例ではないやり方もあったのではないか」と投げかける。

 田村団長は「学童保育や放課後児童クラブに入りたくても、なかなか入れない方々がいる。私は議員になって17年目で、その予算立ての要望をずっとやっているが、増えていかない現状がある。こういった条例を制定することを契機にして、行政に対応してもらえるように働きかけたかった」と述べた。

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 今後、改正案を再提出する予定はないというが、どのような取り組みを行っていくのか。「今回のことで、子育てオペレーションの中で子どもを放置しない状況を考える一助になれば、少しでもそういう状況が全国で生まれたらありがたいと思っている」とした上で、「自民党のこどもまんなか政策と連動して、埼玉県議会の自民党でもこどもまんなかプロジェクトチームを作って議論をしている。今回ケアできなかった社会づくりについては、そこでしっかりと議論して反映していく。改正案を取り下げた後の方針はまだゼロベースだが、そういった取り組みのところで、これから県民に向けて丁寧に説明し、ご意見をお聞きし、子育て環境を強化していきたい」との考えを示す。

 小林議員は「田村さんは団の中から上がってきた案を責任者として提出する立場。いろいろな思いを背負っている中で、世間から批判的に受け取られ、2日3日と経たずに取り下げた。ある種、組織の中で自浄作用をちゃんと働かせて、かつ国会議員とも連携をして調整した。今回、一番汗をかいたのは田村さんだ。X上で『僕はこんなの反対だ』と言っている国会議員で、まったく調整していない人もたくさんいる。田村さんみたいな人がこうやって出てきて説明して、めっちゃ怒られる状態になっているのはもったいないことだ。これから挽回してくれると思うので、今後の埼玉県の取り組みに注目してもらいたい」とエールを送った。(『ABEMA Prime』より)

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