将棋の8タイトルを全て獲得、史上初となる「八冠独占」を果たした藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)が10月13日、名古屋市の名古屋将棋対局場で凱旋記者会見を行った。藤井竜王・名人は10月11日に行われた王座戦五番勝負第4局に勝利し、シリーズ3勝1敗で奪取に成功。将棋界初の快挙を成し遂げ、内閣総理大臣顕彰の受賞も決まっていた。会見で藤井竜王・名人は、幼少期から成長を支えてくれた地元の人々に感謝の言葉を伝えると、子どもたちに向けてのコメントを求められた際には「将棋という夢中になれるものに出会えたのは幸運でした」と語った。
藤井竜王・名人は2016年10月に四段昇段、プロデビューを果たすと直後から29連勝を達成し、一躍「藤井フィーバー」を巻き起こし社会現象に。その後も次々と最年少記録を樹立し、2020年7月には棋聖位で、17歳11カ月の史上最年少タイトル記録を樹立した。ここからさらにタイトルを次々に獲得し、一度も挑戦・防衛に失敗することなく、11日まで行われていた王座戦五番勝負では、前王座の永瀬拓矢九段(31)から奪取に成功、ついに史上初となる八冠独占に成功した。
地元・愛知に戻っての会見ということもあり、地元メディアを中心に質問を受けた藤井竜王・名人は、王座獲得・八冠達成から2日経った感想に「終局した瞬間は実感がなかったですが、2日ほど経ちまして実感や達成感が出ました。重みも改めて感じているところです」と語った。また、地元の子どもたちが自身の活躍によって将棋を始めるきっかけとなっている点については「5歳のころから将棋を始めていろいろな経験ができて、単純に将棋の棋力だけではなくて成長できました。将棋という夢中になれるものに出会えたのは幸運でした。子どもたちにも、夢中になれることを見つけてくれれば。それが将棋だったら自分はうれしく思います」と目を細めていた。
(『ABEMA NEWS』より)