試合開始23秒で炸裂した「誰でも倒れる」ボディで元ムエタイ戦士が悶絶。マットに大の字になる衝撃のKOシーン。「お客さんがうっかりしている間に、相手の選手が大の字」とリングアナが驚きを形容したダウンシーンに実況が「レバーにまともに入ってしまった。あっという間に終わった!」と声を上げると「えっ…」「はや」と解説陣も言葉を失った。
10月13日に後楽園ホールで開催された「LifeTimeBoxing Fights17」で行われたブンチュアイ・ポーンスーンヌン(タイ) と湯場海樹(ワタナベボクシングジム)の試合は、目の覚めるような秒殺劇。開始から鋭い左ボディを見せていた湯場が、2発目のボディで完璧にえぐると、相手選手は悶絶。たまらず大の字の36秒殺KOとなった。
ウェルター級転向後、2連勝中の湯場。元日本5階級制覇王者の湯場忠志を父に持つ血統もさることながら、倒し倒されのスリリングな戦いが持ち味だ。対戦相手のポーンスーンヌンは、ムエタイやMMAを経てボクサーとなった長身の選手でプロ10戦目。
序盤は下がりながら距離を取る湯場が強烈な左ボディ、カウンターで左を合わせて幸先良いスタート。と、劇的な幕切れが突然訪れた。
湯場が細かな右のフェイントを見せると、ポーンスーンヌンがこれに反応。左右のガードを上げたタイミングで、軽快なステップから湯場ががら空きのボディに鋭い左を打ち込んだ。しばし沈黙のあと、ポーンスーンヌンは後ろを向いて前のめりで悶絶。痛みに耐えるポーンスーンヌンだったが、立ち上がろうとしたところで、再び崩れて大の字で天井を仰いだ。
試合開始わずか数秒のダウンシーンに、ゲスト解説の櫻井音乃も「えっ…」と声を漏らしながら、思わず笑ってしまうほど驚いた様子。実況の西達彦アナウンサーも衝撃のKOシーンに「レバーにまともに入ってしまった。あっという間に終わった!」と声を上げた。
元WBOアジアパシフィックスーパーフェザー級王者・木村吉光も目の前で起きた秒殺劇に「はっやー…早すぎたなぁ…」と連呼するだけで語彙を失うリアクション。実況陣も何かを語ろうとした矢先のKO劇に語ることも少なめ。木村は「でもよく(数秒で)見抜きましたね。ボディが空いてるって」と湯場の気づきから破壊までの実行力を称賛。数分立ってもリングに倒れたままのポーンスーンヌンについて「大丈夫かなアバラとか…」と気遣っていた。
湯場は勝利者マイクで「左ボディは練習してきました。深く入ったので、あれは誰でも倒れるボディです。タイ人選手とか関係なく、誰でも倒れるボディです」と強調し笑いを誘っていた。