【MIZUHO BLUE DREAM MATCH 2023】日本代表 4-1 カナダ代表(10月13日/デンカビッグスワンスタジアム)
最高時速36kmを誇るカナダ代表の超速アタッカーに、日本代表の新星が果敢に挑んだ。森保ジャパンの右SB毎熊晟矢はAマッチ2キャップ目ながら、ワールドクラスのアルフォンソ・デイビスに立ち向かった。「今日は経験より課題の方が大きかった」と反省を口にしたものの、毎熊が見せたプレーは可能性に満ちあふれたものだった。
毎熊は9月12日のトルコ代表戦に続いて2試合連続で右SBで先発出場。初の国内での代表戦で、スタンドから盛大な“マイクコール”を浴びて「すごくびっくりしましたし、“やってやるぞ”という気持ちが強くなった」と気合十分で試合に臨んだ。
前半は「試合前から対峙する選手が要注意なのはわかっていました。気持ちを入れて入ったんですけど、空回りしたというか、前半は守備の間合いで、攻撃でもビルドアップのミスがありました」と納得のいくプレーができなかった。「課題だらけのなか、ハーフタイムで代えられていてもおかしくなかった」と振り返るが、そのままピッチに立つと後半にスイッチが入った。
「守備の感覚が少しずつ掴めて、(デイビスを)抑えられた部分はありました」
実際に54分には、マッチアップするデイビスにボールが入りそうになった瞬間、抜群のタイミングで飛び出して、インターセプトに成功した。「試合前からああいうイメージで入ったんですけど、前半は五分五分のボールも相手に渡ってしまいました。後半にやっと掴めてきたかなと思います」と世界基準のプレーに順応する感触を掴んだ。
元々はFWで、ここ3年で攻撃的SBとして台頭した毎熊は、オフェンスでの貢献に関して「高い位置でボールを持って絡むシーンが少なかった」と物足りなさを口にしていたが、短時間で守備を一定の基準に自力で引き上げ、真価を示しつつあった。
次戦は10月17日、ノエビアスタジアム神戸でチュニジア代表との対決だ。成長株の毎熊は3試合連続でスタメンを勝ち取れるのか。そして、どんな成長曲線を描くのか。日本代表選手としてのキャリアは、まだ始まったばかりだ。
取材・文:舞野隼大
(ABEMA/MIZUHO BLUE DREAM MATCH 2023)