財布には日本円…米LAで身元不明の男性が意識不明「銃声が鳴った時は逃げるのが正解。日本人は見に行ってしまう」海外での安全管理と事前の備えとは?
【映像】重症を負った身元不明の男性(実際の様子)
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 「どなたかこの男性を知りませんか?」

 ロサンゼルス(LA)のテレビ局『KTLA』が、記事とX(旧Twitter)でセンセーショナルな写真を発信した。身元不明という写真の人物は、20代半ばのアジア人男性で身長は180cm・体重72kg、入れ墨などはない。現在、地元の公衆衛生当局が情報提供を求めている。

【映像】被害に遭ったアジア人男性(実際の様子)

 KTLAによると男性はLA近郊・サンペドロの住宅街で、外傷性脳損傷を負った状態で見つかり、ハーバーUCLAメディカルセンターに搬送。黒いバックパックと旅行用サイズの衛生用品を持っていたほか、財布に日本の通貨が入っていたという。

 果たして、彼はいったい誰で何が起こったのか。「持ち物からすると日本人の旅行者なのでは?」「アジア人ヘイトで暴行を受けた可能性はない?」「海外で事件に巻き込まれたらと思うと怖い…」(Xから)など、大きな反響があがっている。私たちやその家族や友人は、見知らぬ土地で犯罪に巻き込まれたらどうすべきなのか。16日の『ABEMA Prime』では、犯罪への備えと現地の事情を専門家が解説した。

治安は? LAの最新事情

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 LAの情報やニュースを日本語で発信する『Weekly LALALA』代表の森辰雄氏は「日系コミュニティの中ではSNSなどを通じて“こういう事件があったようだ。誰か知っている人はいない?”といった情報は回っている。ただ、ニュースとしてはほぼ取り上げられていない」と解説。

 続けて「LAを含む米国では、殺人などさまざまな事件が起きているなかで、現時点ではこの方はご存命で、かつ身元がわからない。これから情報を集めていく段階で、今は大きなニュースになっていない。このケースで難しいのは日本人かどうかもはっきりわからない点だ。LAの領事館も動いているが、これ以上動きようがないところもある」と述べた。

 日系人コミュニティがあり、日本人学校も多い地域という現地の治安については「急激に悪くなっているわけではないが、良い場所と悪い場所がある。コロナ禍を終えて、貧富の差がはっきりしてきて犯罪が増えていると感じる」と説明。

 また、「今回のような事件はよくある話だ。むしろ日本人以外だと毎日のように相当数の行方不明者が出たり、連れ去られたりする事件が起きている。何かの犯罪に巻き込まれたり、あとは自殺のために来たりと、いろいろなケースがあるようだ。私が住んでいたサンペドロでは、30年前に同じ日本人の留学生が射殺されている。こうした事件に巻き込まれることはあり得る」と述べた。

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 一方、海外の安全管理情報を発信する専門サイト『海外安全.jp』代表の尾崎由博氏は「大使館員に捜査権限はないので、基本的には現地の警察に任せるしかない。在LA日本国総領事館、日本政府としても情報提供を呼びかけるなどは当然するが、日本人かわからないので積極的にそれ以上のことができない。何より現地の警察と同様に、忙しすぎる。全てをケアすることはやはり難しい状況。この先は『ホテルに戻ってこない人がいる』などの情報が出た時に、もう少し手がかりが出てくるのかもしれない」とした。

 また、「米国で複数人に対する銃撃は1日2件ペース、今年だけで延べ540件起こっている。でも日本では報じられない。アメリカ国内ですら報道が間に合わない状況で日本メディアがカバーできないのは当然だ。知っている人のほうが少ない。我々は大手メディアなどがカバーできていないニュースも流している」と述べた。

犯罪に巻き込まれない“備え” カギを握る「情報収集」

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 では、こうした犯罪に遭わないためにどうすれば良いのか。

 尾崎氏は「事前に情報収集をすることだ。皆さんが行くところはどのような場所なのか。米国であれば銃撃が多いので銃声が鳴った時は逃げるのが正解。だが、日本人は銃声が鳴ると見に行ってしまうそうだ。これは慣れてないからで、このように固有のリスクがある」と指摘。

 その上で「日本人がやりがちで危ない行為が2つある。1つは歩きスマホ。バイクに乗った2人組などに、路上でバーンと所持品を取られてしまう。もう1つはイヤホンだ。周りから人が近づいてきていても気づかない。自分でわざわざ注意力を切ってしまう為で『どうぞご自由に』と周りに言ってるようなものだ」と警告した。

 犯罪に遭ってしまった後の対応については「例えば、派遣元の企業や旅行会社、留学生であれば大学などが、認識をしないと、助けに行くスイッチが入らない。『助けて』と言わなければ、そもそも報道されず、日本にいる人はもっとわからない。それを知っているかどうかでかなり変わる」と自ら声をあげる重要性を指摘した。

 また、「若者でパスポートを取る方が減っているが、日本のこれからを考えると、世界を早くから知っておくほうが絶対に良い。海外に出るのを止めることは良いことではない」と述べた。

 そして「リスクは絶対あるけれど、交通事故が怖いから外出しない、と言わないのと同じで“守り方”を知っているかどうかが大切だ。外務省の“たびレジ”というサイトで、自分がいつからいつまで、どこにいるか登録しておく。家族と連絡を取る約束をすることも予防策になる。万が一、銃声が聞こえたら、近い場合は伏せて安全確認をしてからその場を離れる。遠くの場合は早く逃げたほうが良いなど、原理原則レベルのノウハウがあるので、まずそれを覚えておくのが良い。“守り方”は絶対にある」とした。

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 情報提供は下記まで。

■ハーバーUCLAメディカルセンター
電話:+1(424)306-5305

■Weekly LALALA
+1(310)329-1533
info@lalalausa.com

(『ABEMA Prime』より)

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