一時ブームになった「ワーケーション」だが、最近は耳にする機会が減った。しかし、日本人こそワーケーションの本質を理解するべきなのだ。『ABEMAヒルズ』ではコピーライターで世界ゆるスポーツ協会代表 澤田智洋氏と共にワーケーションの“秘められた可能性”に迫った。
「ワーケーション」とは、国土交通省によると「テレワーク等を活用し普段の職場や自宅とは異なる場所で仕事をしつつ自分の時間も過ごすこと」である。
パーソル総合研究所「ワーケーションに関する定量調査」によると「日常生活圏外の場所で仕事と自分の時間を過ごした経験はありますか?」という問いに17.4%が「ある」と回答。一方、「ある」と回答した中で「ワーケーションを行った経験」があると回答したのはわずか25.9%。つまり、約74%はワーケーションをしていることを「無自覚」であることが判明した。
この結果に対し澤田氏は「ワーケーションという概念ができる前からクリエイティブ職・エンジニア職の方々などはパソコンがあればどこでも働けたため、ワーケーションに『無自覚』だったことも頷ける」と指摘した。
また、パーソル総合研究所の調査では、ワーケーションの効果を高めるカギは「非日常」「体験の多さ」「偶発的な体験」などによって促進される「職務効力感」にあるという。
職務効力感について澤田氏は「『ぼーっとしていると発動する』DMN(デフォルトモードネットワーク)という神経回路があり、これが発動すると自分がこれまで見聞きした情報が接続されてアイデアが生まれたりする。これはオフィスにおける緊張したONモードの時は発動できないため、オフィスの外に出て公園で考えたりカフェで仕事することは理に適った行為だ」と述べた。
「クリエイティブ職ではない人にとってもオフィスを出ることが大事なのか?」という問いに澤田氏は「どんな仕事でも『あの人にどう伝えようか』『企画書をどのように書こうか』などと『煮詰まる』ことはあるだろう。そんな時は環境を変えて自分を客観的に見る必要がある」と答えた。
さらに「アイデアを出す際に意識していること」を聞かれた澤田氏は「緩急だ。まず、オフィスなどで必死に情報を入れて考えるといった『急』を45分続ける。その後は散歩に行ったりして仕事のことを考えない『緩』モードに。この時DMNが発動し、『さっき考えていたことはこういうことか!』と閃いたりする。また、『これどうしようかな?』という『問い』をいくつか持った状態で散歩やワーケーションに参加するのも効果的だ」と説明した。
最後に澤田氏は「問題を直視しないことが大事。一旦視界の外に追いやることで、問題に対する本質的な回答が降ってくる。たまには真面目に根つめず、サボることが大事だ」と述べた。
(『ABEMAヒルズ』より)
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