【キリンチャレンジカップ2023】日本代表 2-0 チュニジア代表(10月17日/ノエビアスタジアム神戸)
日本代表が2-0で勝利したチュニジア代表との試合で、トップ下で先発した久保建英は2ゴールに絡む活躍。確かな成長を感じさせるパフォーマンスを見せた。
もともと定評のあった技術、視野の広さ、クイックネス、そしてパスセンスはもちろん素晴らしかった。ただ、それ以上に目を見張ったのが、フィジカル面の進化であり充実ぶりだ。
173cm・64kgという体格は、選手の大型化が一気に進んでいる現代フットボールだとかなり小柄かつ軽量の部類に入る。それゆえプロキャリア当初の久保は、チャージで体勢を崩したり、純粋に吹き飛ばされたりするシーンが決して少なくなかった。
しかし、この日の久保は大柄かつ強靭なチュニジアの選手たちと、フィジカル勝負でも互角以上に渡り合った。中でもハイライトは、43分のシーンだ。敵陣中央で守田英正からパスを受けた久保は、右斜めから相手DFのウサム・ハダディの強烈なチャージを受ける。しかし、背番号20はしっかりと耐えながら前を向いて旗手怜央にボールを渡し、結果的に古橋亨梧の先制ゴールへと繋げた。
ハダディは185cm・81kgと高さも重さもあるタイプのDFで、173cm・64kgの久保が純粋なフィジカル勝負で負けずボールコントロールもブレなかった事実は特筆に値する。このシーンには日本のサッカーファンも驚きを隠せず、SNSには「フィジカル強すぎ」、「ほんと強くなった。体を当てられてもまず倒れない」、「成長を感じる」、「フィジカル強くなっててコロコロ倒れないし頼もしい限り」、「久保がフィジカルで負けなくなったら本当に強い」、「あれで倒れないのか」などのコメントが並んだ。
伊東純也の2点目をアシストした69分のシーンも、状況を的確に見極めた視野の広さや柔らかいラストパスが注目されがちだが、抜け出す際のフィジカル的な強さがやはり見逃せない。出遅れた185cm・74kgのエリエス・スヒリが腕を掴んできたが、これを強引に振り払って縦の突破を成功させているのだ。
天から授かった技術やセンスに、身体の成長に加えて5年目を迎えたラ・リーガで鍛えられ、フィジカルまで上乗せされてきた久保。まだ22歳の天才レフティーは、はたしてどこまで伸びるのか。日本代表の未来を占ううえで、鍵を握る存在の1人なのは間違いない。
(ABEMA/キリンチャレンジカップ2023)