「空爆が始まると“花火だね。どこかでお祝いしてるんだね”と子どもたちに心を砕く」「憎しみよりも“普通の生活をしたい”」━━ガザ地区に暮らす人々の胸の内
【映像】一台の診察台に3人の子どもたちが横たわる

 イスラエルとハマスの大規模な武力衝突。地上侵攻目前と言われるガザ地区に暮らす人々の胸の内を現地で支援活動を行うNPO法人パルシックの・パレスチナ事務所代表の高橋さんに聞いた。

【映像】一台の診察台に3人の子どもたちが横たわる

「ガザの人々はこの武力衝突をどう思っているのか?」という問いに高橋さんは「憎しみというよりも、普通に『人として尊厳のある生活をしたい』という思いが大きいのでは」と述べた。

「『憎くて殺してやる』というよりも、もうこれしか自分たちの尊厳を守る方法がないという理由でこういう手段に訴えているのだと思う。とはいえ、全員がこのやり方に賛成してるわけではない」

 ガザ地区はイスラエルによって建設された壁に囲まれ「天井のない監獄」と表現される封鎖状態にあり、イスラエルの厳しい規制によって貧困率はなんと50%以上。生きることに必死な住民たちは過去からの憎しみよりも普通の生活がしたいとの思いが強いという。

 戦火のガザ地区に在住しているパルシックのパレスチナ人スタッフによると、数日前は、「水と食料はなんとかみんなで分けて少し食べられるが、トイレの水がなく、電気も切れてしまっている」状況だったというが、今は発電所の燃料が尽き、水道もストップするなどライフラインがまともに動いていない状況だ。

 そんな戦場での子どもたち心理状態について高橋さんは「空爆が始まると『花火だね。どっかでお祝いしてるんだね』など、子どもたちが怖がらないようにものすごく心を砕いている。親たちだって空爆がいつ当たるか分からない状況だが、子どもたちの恐怖をいかに抑えるかを考えている」と説明。

 また、ガザ地区の現地スタッフから届いたメッセージには「大学生の次女は恐怖で寝るときも足の震えが止まらずコントロールできない状態です。中学生の長男も常に恐怖で怯え、寝るときにも飛びついてきます」と記されていたという。

 パレスチナの支援を通して現状を見てきた高橋さんは多くの人がこの問題を知ることが必要だと言う。

「今何が起きているか、日本の方にも知っていただき関心を持っていただくことが必要。政治が動かないと難しいとは思うが、私たちがやらなきゃいけないことは、世界の人たちと一緒に考えながら声を上げていくことだ」
(『ABEMAヒルズ』より)
 

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