5バックの強固な守備ブロックに加え、中盤や前線も自陣にこもるチュニジアを打開したポイントについて、元日本代表DF・安田理大が徹底解説した。
球際の強さと堅守を武器に、昨年、FIFAワールドカップカタール2022で“怪物”揃いのフランスを下したことでも話題となったのがチュニジアだ。日本も昨年6月に0-3で完敗しており、10月17日にノエビアスタジアム神戸で行われた国際親善試合は、約1年4カ月ぶりの顔合わせとなった。
無得点で終わった前回対戦とは異なり、日本は43分に先制、69分に追加点を重ね2-0で勝利。17本のシュートでチュニジアゴールを脅かし、逆に相手のシュートを1本に抑え込んだ。
10月22日に放送された『ABEMAスポーツタイム』(ABEMA)では、チュニジアの手堅い守備を攻略した2つのポイントを、元日本代表DF・安田理大が分析した。
まず安田が挙げたのが、チュニジアのフィールドプレーヤー10人が自陣に引き込もったシーンの日本の動きだ。守備ラインを押し上げ、センターバックの板倉滉と右サイドバックの菅原由勢がハーフウェーラインを超えたものの、一度バックパスでボールを後ろに下げる。すると、途端にショートカウンターを仕掛けるべく、チュニジアの選手5人が日本陣内に侵入。その隙を突き、日本は左サイドを突破して一気に相手陣内に攻め込んだという一連の場面は示唆に富んでいた。
このプレーについて安田は「あえてボールを下げて、相手の選手が出てくるのを待ってからサイドで崩して一気にカウンター。引き込むことで相手のスペースを空けて、裏を狙っている」と説明。番組スペシャルサポーターの影山優佳も「中に人がいなくなってますね!」と納得の表情で頷いた。
もう一つは、カウンターからパスを受け、シュートを放った右サイドバックの菅原の積極性だ。「左サイドから攻撃をしている時は、普通だったら右サイドの選手はカバーしたりする。そこで前に行けるのが菅原選手の強みだと思うし、そこを生かす戦術だったのではないか」と分析した。
11月16日から始まるW杯のアジア2次予選では、FIFAランキング161位のミャンマー、93位のシリア、116位の北朝鮮と、19位の日本にとっては“格下”の相手との3試合となる。予選突破を目指して「引き分け狙い」で守備を固める可能性もある相手に対し、ただ押し込むだけではなく「あえて引く」戦法を活用しながら、日本は盤石の戦いを見せることができるか。
(ABEMAスポーツタイム)