政府が検討している減税・給付は本当に国民の負担を緩和するのか? ノンフィクションライターの石戸諭氏と考えた。
政府が検討する減税・給付金案は「1人あたり所得税と住民税で4万円減税」「生活保護など非課税世帯はすでに給付している3万円に7万円を追加して計10万円を給付」「パートやアルバイトで生活するなど、課税されているものの所得が低い世帯には、1世帯あたり10万円給付」となっている。
この政府の案に対して石戸氏は「減税と給付金のセットというアイデアそのものは悪くない。しかし、岸田案は効果が出てくるまで法改正が必要で時間がかかることに加え、4万円は明らかに少なすぎる。端的に言って遅く、少なく、しょぼい。一度だけの減税であれば『4万円返します』という一律給付金と対して変わらない上に、給付金のほうが手っ取り早く合理的だ。だが、今までの経済学の研究からも一律給付金は経済対策としては効果が薄いことはわかっている以上、やはり必要なのは筋の良い減税だ」と述べた。
また、「政府が給付ではなく減税という形にこだわる」理由については「増税する総理というイメージがついて支持率が低迷した岸田総理が『減税をやる』と宣言してしまったから引くにひけなくなってしまった」と推察。さらに「今やるべきは物価高対策・景気対策であり、減税はもっと力強い現税を推し進めてほしい。たとえば消費税を5%に下げる、ガソリン税を下げるといった方法は効果が期待できる現実的な提案だ。野党とどの税をどこまで下げるのかを徹底的に論戦してほしい」述べた。
今回の減税において「所得制限」を設けるべきという案が出ていることについては「景気対策はシンプルであればあるほうがいい。いたずらに制度を複雑にする所得制限は最も不要なこと」とコメントした。
(『ABEMAヒルズ』より)
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