【スーパーフォーミュラ】最終戦（決勝・10月29日／鈴鹿サーキット）
日本最速を競う『スーパーフォーミュラ』参戦3年目。今季F1で入賞も経験したドライバーと2年連続王者を破り、24歳の宮田莉朋（VANTELIN TEAM TOM’S）が初チャンピオンに輝いた。
シーズン最終戦となる第9戦の決勝は、ポールポジションからスタートしたF1にスポット参戦したリアム・ローソン（TEAM MUGEN）がやや出遅れると、2番手の太田格之進（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）が抜群のスタートを決めて1番手に躍り出た。
2年連続王者の野尻智紀（TEAM MUGEN）は、ローソンに前を塞がれる形で失速。予選4番手だった宮田は、その隙を付き、一時的にエンジンパワーをあげるオーバーテイクシステム（OTS）を使用し、2コーナーのアウト側から一気に野尻を抜き去り、3位を奪取した。
宮田は13周目に、ローソンは14周目にピットインすると、冷えたタイヤで出てきたローソンをオーバーテイクすべく、OTSを使いながら背後まで迫り、ヘアピンで並びかけた。オーバーテイクはできなかったものの、宮田の強さが見られたシーンだった。結局、宮田は3位でフィニッシュし、チャンピオンを獲得した。
今季は、第3戦の鈴鹿で自身初優勝を飾ると、続く第5戦のSUGOでも優勝。安定したミスのないドライビングで、堅実にポイントを重ねてきた。
チャンピオン獲得後のインタビューでは、「イェーイやりましたー、日本で1番速いでーす！！ 『どうせあいつスタート下手だから』と思われていたかもしれませんが、やりましたよ！ 期待を裏切ってやりました。今回ライバルが本当に速くてトヨタ陣営としても負けられないと思いました」とコメント。続けて「相手もTEAM MUGENという最強のチームでしたし、スタートも決めて、あそこがチャンピオンに向かった大きな一歩だったと思います」と喜びを爆発させた。
来季は海外へ挑戦するという宮田。今年はWEC（世界耐久選手権）にスポット参戦したが、来年からはフル出場するという噂で、レース日程が重ならないスーパーフォーミュラにも継続す参戦るのではと言われている。今後は世界の舞台も含めて日本のモータースポーツを代表するドライバーに羽ばたいてほしい。
（ABEMA『スーパーフォーミュラ2023』／(C)JRP）
