羽生善治会長の“脳内将棋盤”は?2000局超記憶も意外な盲点を告白「初心者の方との将棋を覚える方が難しい」
【映像】天才棋士が「記憶できない」意外な盲点を告白

 日本将棋連盟の羽生善治会長(53)が10月28日に放送されたABEMAの『NewsBAR橋下』に出演。プロ棋士に見られるという『脳内将棋盤』の不思議な世界について語った。

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 『脳内盤』は、実際に視覚でとらえているものとは別に、脳内にある将棋盤を動かして形勢判断をするのは特殊能力と言われている。お笑い界きっての将棋好きとして知られ、番組の進行役を務めるサバンナの高橋茂雄は棋士特有の脳内盤に興味津々の様子。「どのくらいのレベルになると出来るようになるものですか?」と早速質問すると、羽生会長は「アマチュア初段くらいでしょうか?意外と難しいことではなくて、コツさえ覚えてしまえばできるようになります」と回答した。

 脳内盤については、女流棋士と大学の客員研究員の2つの顔を持つ武富礼衣女流初段(24)が研究に取り組んでいるテーマとしても知られており、棋士によって一字駒型、ぼんやりとした概念だけが浮かぶ型、背景に色がついていたりモノクロの型など様々な形があると言われている。この10月に全八冠独占を達成した藤井聡太竜王・名人(王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖、21)は、常識を覆すように「脳内に将棋盤はない」と回答したことで周囲を驚かせていたこともあった。

 羽生会長の“脳内盤”は4分割になっているといい、「全部を覚えているわけではなくて上、右下、みたいな感じで覚えています」と明かした。

 これまでに2000局を超える公式戦を戦ってきた羽生会長は「プロ同士の対局は覚えていられる」というが、意外な盲点として「初心者の方との将棋を覚える方が難しいんです」と回答。プロ間の対局は一局を通して物語のように成立しているため変化は読みやすいと言われているが、「(初心者は)配置がめちゃくちゃなので実は覚えにくい。何でも覚えていられるわけではないんです」と説明していた。

 音楽において楽譜が読めて演奏ができるようになれば暗譜ができるようになることや、自分が書いた作文を何となく記憶している感覚と似ているといい、「基本のフォーマットさえ押さえてしまえば誰でも出来るようになる」と力説。天才の独特の世界観に、周囲は感心しきりの様子だった。
(『NewsBAR橋下』より)

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