藤井聡太竜王・名人はなぜ強い?レジェンド・羽生善治会長が考察「未知の局面での羅針盤が優れている」
【映像】藤井竜王・名人の強さを分析する羽生会長

 日本将棋連盟の羽生善治会長(53)が10月28日に放送されたABEMAの『NewsBAR橋下』に出演。藤井聡太竜王・名人(王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖、21)が八冠制覇を掛けて永瀬拓矢前王座(31)と大激闘を繰り広げた第71期王座戦五番勝負を振り返り、若き八冠王の強さを語った。

【映像】藤井竜王・名人の強さを分析する羽生会長

 長い将棋の歴史における大金字塔となった藤井竜王・名人の全八冠独占の大偉業。10月11日に行われ、決着局となった王座戦第4局での大逆転劇は将棋界内外でも大きな話題を呼んだ。

 羽生会長は「AIの評価は90%と表示されていても、人間が見つけるのは難しいというのがあるんです。同じ80%でも絶対安全な80%と、ひっくり返ることもある90%というのもあるので、(自分が見る時は)人間的な判断を入れながら見ています」と語った上で、「(王座戦第4局の最終盤の局面が)朝9時のフレッシュで元気な状態だったらプロは手がすぐ見えるけど、もう12時間以上戦い続けてへとへとになっている状態で見えるかとなると別の話なんです」とコメント。「一歩でも間違えたら形勢はひっくり返ってしまうので、常に1/100、1/200の正解を一分の中でやっていかないといけないので、残酷ですがそこにドラマがあるんだと思います」と解説した。

 さらに、名実ともに将棋界のトップに立った藤井竜王・名人の強さは「総合力」とし、「出来不出来の差が少ない」という。また、「20代前半の棋士だとまだ粗削りでここは強いがここはまだ弱点があるというのが普通。でも藤井さんはそれがすごく小さくて、結果そのものに繋がるようなミスをしないという安定感が強さ」と加えた。

 藤井竜王・名人はAI研究を取り入れていることでも知られているが、羽生会長は「暗記というよりは感覚的なセンスの問題。未知の場面やわからない場面になった時に正しい羅針盤で良い方向性で考えられるかというところが優れていて磨かれているんじゃないかなと思います」と分析していた。
(『NewsBAR橋下』より)

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