国民生活センターも注意喚起を促している、コインパーキングの駐車料金の表示をめぐるトラブル。ニュース番組『ABEMAヒルズ』は、思わぬ金額を請求されトラブルになったという弁護士を取材した。
「自動車から見えない位置に値段を書いたり、肝心のことを小さい字で書いたり、いち消費者として許すことできないのですが」(山岸久朗弁護士のXから一部抜粋)
コインパーキングの駐車料金をめぐる弁護士の山岸氏の怒りの投稿が反響を呼んでいる。番組はこの投稿をした山岸弁護士を取材した。発端となったのは10月24日の朝9時すぎ。大阪府内のとあるコインパーキングに車を停めたときのことだった。
「午後3時には次の目的地に行かなければならないので、だいたい6時間くらい停める目算でいた。大きい看板には10~16時までは最大料金1200円、16時~翌朝10時までは最大料金900円と書いてあった」(山岸氏、以下同)
「10時までは1時間あるが、それは1時間分を別途払うこととして、プラス(10~16時の)最大料金の1200円で、1500円くらいだと思っていた。しかし、車を出そうとしたら4800円だった」
山岸氏は何かの間違いではないかと思い、すぐさま“緊急連絡先”に電話をするが、出たのは業務を委託されているというコールセンターの従業員だった。
「担当者は『4800円で間違いないので払ってください』と言っていた。根拠は、『9時に停めているから、9~10時は最大料金900円が適用になってしまっている』と」
コールセンターの説明によると、そもそも駐車料金は25分につき300円、10~16時までの間の利用であれば、最大1200円までで駐車できる。山岸さんの場合は9時に駐車し始めたので、9時~10時の駐車による最大料金900円。それに加え、10~15時過ぎまでの駐車料金は通常料金の25分につき300円で3900円、計4800円ということだ。
9~10時の1時間は通常料金で計算しても900円。この結果、「最大料金」による恩恵は全く受けられなかったことになる。しかし、当時は看板に「25分300円」という“時間ごとの料金”は書いていなかったという。トラブルはこれだけではない。
「『看板に最大料金は1回しか適用されないと書いてある』と言われたので見たら、めちゃくちゃ小さい、3メートル程離れたら見えないくらいの文字で書いてあった。『それはあなたおかしい』と。こっちは車で走りながら停めるかどうか大きい看板を見て判断しているのに、たいてい見てわかるのは最大料金が2パターンあることだけ」
「(時間ごとの料金表示は)どこかと聞いたら、清算機の一番下のところに小さいステッカーで貼ってあった。『こんなの詐欺じゃないか。車で走りながら見えない』と言った。『ところでぼくは誰と電話しているんですか?』と聞くと『規則で言えない』と言われた」
最終的に管理会社を聞きだすことができたという山岸氏は、次の予定もあり、その場では4800円を支払った。しかし納得できず、このやり取りをSNSに投稿すると大きな反響を呼んだ。
「いわゆる景品表示法という法律がある。優良誤認、消費者にとって誤認を及ぼすような書き方をしていると思ったが、違う考え方もあるかもしれないので人の意見を聞こうと思い投稿した」
後日、駐車場の看板には時間ごとの料金が追加されていて、最大料金に関する文字も大きくなっていたという。
2006年に道路交通法が改正されて以降、コインパーキングの需要は増加した。その一方、「表示が見づらい」「高額な料金を請求された」といった、コインパーキングの表示に関する相談も増加傾向にある。国民生活センターにも毎年多くの相談が寄せられている。
番組はコインパーキングの管理会社に取材を申し込んだが、現在までに回答は得られていない。現在、訴訟も視野に入れているという山岸弁護士は、改めてこう訴える。
「これはドライバーが注意するような問題ではなくて、法律の規制によってコインパーキングの業者をきちんと規制するのが重要だと思う」
(『ABEMAヒルズ』より)
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