11月4日(土)アゼルバイジャン・バクーのナショナルジムナスティックアリーナで開催された「RIZIN LANDMARK 7 in Azerbaijan」にて、鈴木千裕がRIZINフェザー級王者ヴガール・ケラモフの持つ王座に挑戦。下からの蹴り上げとパンチでケラモフをKOする番狂わせで、敵地アゼルバイジャンでベルトを巻く快挙を達成した。
【映像で見る】一体何が起こった? ケラモフを“下から”失神KOする鈴木千裕
立ち技格闘技イベント「KNOCK OUT」BLACKルールのスーパーライト級王者でもある鈴木はRIZINの舞台でも強烈な打撃で衝撃的な場面を幾つも見せてきた。特に今年8月に現Bellatorフェザー級王者のパトリシオ・ピットブルを右ストレートでKOした一戦はRIZIN最大の大番狂わせとなった。
そして今回のケラモフ戦でも鈴木の拳が奇跡を起こす。開始早々にケラモフに片足タックルでテイクダウンを許した鈴木が下からケラモフの顔面を蹴り上げてパンチを連打する。これがケラモフの顔面を捉えると次第にケラモフの動きが止まり、レフェリーが試合をストップ。なんと下からのパンチでケラモフをKOするという誰も予想だにしない形で鈴木が新RIZINフェザー級王座に就いた。
セコンドについた名参謀のパラエストラ八王子の塩田歩代表によれば、もともと下からの草刈り(スイープ)や蹴り上げは鈴木の武器の一つだという。その一方で下からのパンチをあそこまで効かせることは予想外だった。鈴木が所属するクロスポイント吉祥寺の山口元気代表は試合前の取材で「千裕は感性が鋭いから、その感性に任せるのがいい」とコメントしていたが、まさに鈴木の“技術”と“本能”が呼び込んだ番狂わせだった。
試合後、解説を務めていた金原正徳は「若者が世界で勝って、ベルトを持って帰ってきてくれることがうれしい。泣きそうになりました」と鈴木の王座戴冠を祝福し、鈴木との対戦についても「やりましょう」という言葉を残している。
下馬評を覆して敵地アゼルバイジャンでベルトを獲るという快挙を成し遂げた鈴木がRIZINの中心に立った。