11月8日に発表されたワールドカップ2次予選(16日のミャンマー戦、21日のシリア戦)に向けた日本代表メンバー。森保一監督は登録枠が23人なのを承知で26人を呼び寄せ、しかもそのうち海外組が実に22人を占める。怪我で外れた板倉滉、中村敬斗、旗手怜央などを除けば実質的なベスト編成だ。
序列で見ていくと、GKは9月のドイツ戦でもゴールを守った大迫敬介(サンフレッチェ広島)がおそらく一番手。伸び盛りの鈴木彩艶(シント=トロイデン)が二番手、未デビューの前川黛也(ヴィッセル神戸)が三番手という構図だろう。
最終ラインは要の板倉が欠場するうえ、しかもDF登録が7人と頭数も少ない。リーダーはもちろん冨安健洋(アーセナル)だ。その相棒は谷口彰悟(アル・ラーヤン)も頼れる存在だが、第2次森保ジャパンでは左SBに回るケースが多い伊藤洋輝(シュトゥットガルト)を今回はCBに回すのではないか。右が右利きの冨安と谷口、左が左利きの伊藤洋と町田浩樹(ユニオン・サン=ジロワーズ)にした方がバランスが良いからだ。
この構成になれば、左SBの一番手は復帰した10月シリーズで好パフォーマンスを見せた中山雄太(ハダースフィールド)。マルチの伊藤と町田がバックアップする体制だ。右SBは菅原由勢(AZ)が主戦で、毎熊晟矢(セレッソ大阪)が二番手。ただ、6月シリーズでは本来ウイングの相馬勇紀(カーザ・ピア)もこのポジションで試されており、今回も状況次第で回るかもしれない。
セントラルMFは遠藤航(リヴァプール)、守田英正(スポルティング)が相変わらず鉄板。ただ、守田は所属先で直近2試合を怪我で欠場しており、田中碧(デュッセルドルフ)や伊藤敦樹(浦和レッズ)、川辺駿(スタンダール・リエージュ)らにスタメンが回ってくる可能性もある。2試合とも押し込む展開が予想されるだけに、本来トップ下の鎌田大地(ラツィオ)をこちらに下げる手もあるだろう。
2列目の右ウイングはやはり伊東純也(スタッド・ドゥ・ランス)が序列トップで、堂安律(フライブルク)と久保建英(レアル・ソシエダ)もタイプは違えど能力的には遜色がない。
トップ下はクラブでの現状を見る限り、久保が鎌田よりも序列が上なはず。10月シリーズで復帰した南野拓実(モナコ)との3枚体制は、歴代日本代表でも屈指のクオリティーだろう。
左ウイングはもちろん三笘薫(ブライトン)がエース。二番手扱いだった中村、10月シリーズで左もこなした旗手が欠場するため、今回は前田大然(セルティック)と相馬、もしくは南野でバックアップする体制か。これまでスタメンでは一度も実現していない伊東、久保、三笘の「夢の2列目」が、今シリーズでついに見られるかもしれない。
CFはいわゆる核が現状では不在。9月と10月に改めて機能性の高さを示した浅野拓磨(ボーフム)の評価がわずかに高いが、上田綺世(フェイエノールト)と古橋亨梧(セルティック)の決定力も捨てがたい。
ちなみに、今シリーズはとりわけ海外組にとってかなりの過密スケジュール。例えば三笘はブライトンの試合が11月12日(日)に組まれており、帰国が14日(火)までずれ込むかもしれない。そうなれば16日(木)のミャンマー戦でスタメン出場は流石に難しいだろう。
実際、森保監督はメンバー発表会見で「選手のコンディションを見て、1戦目、2戦目でメンバーを入れ替えることも考えている」と語るなど、かなりの総力戦になりそうだ。その意味では、CBを除けば1ポジションに3人は対応可能になっている今回の編成は、理に適っていると言える。指揮官は、13日からスタートする合宿で選手たちのコンディションを見極めて、ミャンマー戦とシリア戦のスタメンを決めることになるだろう。
▼日本代表の11月シリーズ概要
開催日時:11月16日(木)19:00キックオフ
対戦相手:ミャンマー代表
会場:大阪/パナソニックスタジアム吹田
テレビ放送:テレビ朝日系列にて全国生中継/ABEMAにて生配信
開催日時:11月21日(火)23:45キックオフ(日本時間)
対戦相手:シリア代表
会場:ジッダ(サウジアラビア)/プリンス・アブドゥッラー・アル・ファイサル・スタジアム
テレビ放送:未発表
(ABEMA/日本代表)