2019年、群馬県草津町の議員だった女性がメディアなどに対して行った黒岩町長から「性行為を強要された」という趣旨の告発。黒岩町長は当時「100対0で事実無根」などと強く反論し、元議員らに対して名誉棄損で損害賠償請求を行っていた。
「性行為を強要された」とする元議員をめぐっては、支援する会が立ち上がり、性暴力に抗議するフラワーデモが行われるなど、温泉の街・草津での大騒動は海外メディアでも報じられた。
元議員は2021年、黒岩町長を強制わいせつ罪で告訴するも、町長は不起訴に。一方で去年10月、前橋地検は元議員を黒岩町長に対する名誉棄損と虚偽告訴の罪で在宅起訴した。
「本当に私と草津町が言われ放題だった。これが（元議員が）起訴になった瞬間、すべてのバッシングがぴたっと止まった。それは事実だ」（黒岩町長）
起訴後、元議員の支援の会は活動休止を発表。町長との面会時の録音について元議員は当初「冒頭15分しかない」と主張していたが、実は1時間分あったことが別の裁判で判明。それを聞くと元議員の主張する性被害が起きていなかったのは明らかだった、というのがその理由だとしています。
元議員も自身の活動を伝えるチラシなどで、この録音の存在自体は認めている。そのうえで、被害については「黒岩町長から体を触られたことは事実です。しかし、その内容をありのままに伝え、表現することができませんでした」などと記している。
元議員の告発から４年、『ABEMAヒルズ』は一貫して疑惑を否定してきた黒岩町長を取材した。
黒岩町長は「すべて嘘だ。指１本触れてない。（元議員は）触れたことも嘘でしたと認めると虚偽告訴罪が自動的に成立するため、最後まで『私は町長から触られた』と主張するだろう」と述べた。
元議員が虚偽告訴罪で起訴された件では、現在、争点整理などが行われていて、第1回公判の期日も未定の状態だ。
黒岩町長は「私自身が攻撃されるのはまだ我慢するが、『草津町に行くと女性はレイプされる』などと草津町を誹謗中傷されるのが本当につらかった。また私には家族、娘、孫もおり、非常につらい思いをさせた。そうした中、いくらこちらが声を上げても取り上げられなかった。一方的に『男が加害者、女性が被害者』という構図の中で世論はすべて動いていった」と振り返った。
町長側が元議員らに4400万円の損害賠償を求めた民事裁判は、11月1日に第2回の口頭弁論が開かれ、本人尋問が行われている。
町長室での性被害という、世の中を震撼させたあの告発は嘘だったのか？ 元議員に取材を申し込んだが「弁護士とも相談しましたが、今回取材はお断りさせてください。裁判の結果が出た時など、お話できるときが来たらお話したいと思っています」と回答された。
（『ABEMAヒルズ』より）
