大盛況のなか4日間の日程を終了したラリージャパンだが、会期中、街中の一般道を走るラリーカーの姿に沿道の人々は目を奪われた。
11月16日のオープニングステージから19日のフィニッシュまで、4日間で約54万人もの動員を記録した『フォーラムエイト・ラリージャパン2023』。ラリー競技で世界最高峰の大会であるWRC(世界ラリー選手権)の今季最終戦として、愛知県と岐阜県を舞台に合計22のSS(スペシャルステージ)が設定され、合計タイムで優勝が競われた。
最終的には、トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)が1位から3位まで表彰台を独占する形で故郷に錦を飾ったが、地元愛知県出身の日本人ドライバーである勝田貴元(30)による気合の入った激走も見られ、有料観客席への入場者はもちろん、イベント会場や沿道で応援した人たちも満足の4日間となった。
特に印象的だったのは、「リエゾン」での風景だ。これは、SSとSSの間に設定された移動区間のことで、ラリージャパンに参戦するラリーカーは牽引車やキャリアカーで運ばれるわけではなく、ここを自走して移動することになる。
先述のとおり2県の間に22ものSSが用意されているため、その間のリエゾン区間は、ごく一般的な街中の道路あり、田んぼの畦道あり、夜の繁華街あり、歴史的風情のある街並みありと、バラエティに富んでいる。地元の人にとってみればごく普通の日常的な風景だが、そんななかを非日常的な存在であるラリーカーが、道路交通法を順守しながら一般車に混じって走っているという、ある種、異様な光景が見られたわけだ。
当然、前もってリエゾン区間は情報公開されており、ラリーカーを見ようとファンが集まったのはもちろん、たまたま通りがかった市井の人たちも、突然目の前に現れた本物のラリーカーを目にして驚きの眼差しとともに声援を送っていた。
(ABEMA『ラリージャパン2023 デイリーハイライト』/(C)WRC)