【プレミアリーグ】ブレントフォード 0-1 アーセナル(日本時間11月26日/ジーテック・コミュニティ・スタジアム)
「正GK問題」が話題になっている今シーズンのアーセナル。プレミアリーグ13節のブレントフォード戦では、再び議論に火が付いた。
昨シーズンまではイングランド代表のアーロン・ラムズデールが不動の正GKを務めていたが、今夏にブレントフォードからスペイン代表のダビド・ラヤがローン移籍で加入。開幕当初こそラムズデールが出場していたが、9月中旬からは完全に序列が逆転し、プレミアリーグとチャンピオンズリーグではラヤがゴールマウスを守ってきた。
ただ、ブレントフォード戦は、ラヤにとってローン元のクラブのためプレミアリーグの規定でメンバー外に。そのためラムズデールがリーグ9試合ぶりに先発に抜擢された。
イングランド代表GKからすればアピールする絶好のチャンスだったが、不安定なプレーを連発する。13分にはビルドアップ時にもたついてゴール前でボールロストすれば、37分にはスローイングの際にボールを地面に叩きつけて相手に奪われる信じられないミス。味方の好フォローで結果的にクリーンシートを達成したが、明らかに心許ないパフォーマンスだった。
地元メディアからの評価はやはりかなり低いものだった。『Football London』では10段階でチーム最低の「4」。寸評も「とても迷っているように見える選手に対して厳しい言葉をかけるのは心苦しいが、ラムズデールは十分ではなかった。2つのミスは幸運にも失点にならず、いくつかの良い瞬間もあった。しかし、ラムズデールは『自信を失ったGK』に見える」と手厳しかった。
また、『Evening Standard』も「5」とチームワーストの採点。「9月3日以来のプレミアリーグ出場を果たした。当然のことながら、自信もプレータイムも足りないように見えた。前半はミスで2度の危ない場面があり、後半はだいぶ良くなった」とやはり厳しい評価だった。
また識者からも辛辣なコメントが寄せられている。試合前に『TNT Sports』の番組に出演した元イングランド代表DFのリオ・ファーディナンドは、ラムズデールについて話を聞かれると「彼はアーセナルの2番手GKであり続けるだろう。監督が公の場で何を言おうと、ラヤのポジションが脅かされているとはまったく思わない」と立場が厳しいことを指摘していた。
ファーディナンドの発言が的中するように、ラムズデールは試合で不安定なパフォーマンスを見せてしまった。すでに「アーセナルが新戦力獲得の資金を得るため、ラムズデールを今冬に売却するかもしれない」という報道まで現地メディアでは出ている。その候補にはウォルバーハンプトンなどが挙がっている状況だ。
奇しくもアーセナルを退団したGKは、ヴォイチェフ・シュチェスニー(現ユベントス)、エミリアーノ・マルティネス(現アストン・ヴィラ)、ベルント・レノ(現フルアム)など、新天地で活躍する例が多い。残留か、移籍か。25歳のラムズデールは、キャリアの岐路に立たされている。
(ABEMA/プレミアリーグ)