偉大なるキャリアへの敬意、そして年齢による心身の衰えや辛さを熟知するからこそのコメントだろう。批判に晒されているチェルシーのDFチアゴ・シウバを、元イングランド代表DFで現在は解説者として活躍するリオ・ファーディナンドが擁護した。
今シーズンのプレミアリーグでフィールドプレーヤー最年長であるT・シウバは、11月26日のニューカッスル戦でスタメン出場してチェルシーのフィールドプレイヤーとして史上最年長選手(39歳64日)にもなった。
しかし、パフォーマンスはいつもの安定感に欠けた。24分、自陣右サイドでボール奪取に成功したものの、クリアの際に空振りのような形になって転倒し、ニューカッスルにCKを与えてしまう。さらに61分には、痛恨のミス。バックパスを受けた後の処理を誤って相手MFジョエリントンにプレゼントボールを渡してしまい、失点の大きなキッカケを作ってしまったのだ。
結局、チェルシーはニューカッスルに1-4で大敗し、中でもらしくないミスを二度も犯したT・シウバは、メディア採点で軒並みチーム最低点を付けられ、ファンからも「流石にもう無理か…」、「今までのことには感謝している。しかし出ていく時だ」、「もはや年齢が隠せない」、「彼は歳をとりすぎた。もう若手にチャンスを与えよう」など辛辣な言葉がSNSに書き込まれた。
しかし、ファーディナンドの意見は異なるようだ。自身が運営するYouTubeチャンネル『FIVE』のトークの中で、T・シウバについて問われると、次のように語ったのだ。
「パフォーマンスのことは一旦忘れて言えば、39歳であそこ(プレミアリーグ)に出るだけで彼はメダルに値する。信じられないことだ。俺が36、37歳の頃は、試合が終わるたびに痛みで救急病院に運ばれていて、とても辛かった。彼も同じかは分からないが、常識外のことさ。彼のプロ意識をリスペクトすべきだ。今週末の試合(ニューカッスル戦)は確かに悪かったけど、そんなことは関係ない」
ファーディナンド自身もCBとして37歳まで現役を続けて心身の大変さを熟知するだけに、T・シウバを1試合不安定だっただけで糾弾すべきではないという立場を取ったのだろう。
チェルシーの次の試合は、12月3日のブライトン戦。T・シウバはこのゲームでいつもの安定感を取り戻せるか。
(ABEMA/プレミアリーグ)