過激派組織「イスラム国」の元戦闘員の社会復帰支援に取り組もうとする日本人がいる。
テロ・紛争解決スペシャリストの永井陽右氏(31)に命懸けの活動を続ける理由を聞いた。
「イスラム国」は2014年に“建国”を宣言しプロパガンダで4万人以上の外国人戦闘員取り込んだと推計されているが、その3年後には支配地域をほぼ喪失。2019年には当時の最高指導者バグダディ容疑者が死去した。しかし、現在もイラクやシリアでテロや宣伝活動を継続し、アフリカでの関連組織の勢力拡大を援護しているという。
そんな中、「イスラム国」の元戦闘員の社会復帰支援に関する交渉を現地で行う理由について永井氏は「今、多くの逮捕・収容された元戦闘員が外に出てきているが、社会復帰は茨の道であり、弁護士や政府関係者と連携しながら彼らと伴走していく存在が必要だ。また、テロ組織は仲間を奪還するために刑務所や収容所を襲う傾向にあり、地域住民が人質交渉に使われるケースもある。だからこそ、彼らと向き合って新たな人生を作っていく支援を行う必要があり、支援活動によって暴力の連鎖を止められるかもしれない」と語る。
また、現在のバグダッドについては「日本の外務省は退避勧告を行うレベル4に指定しているが、実際は平和を取り戻しつつある。イラクには意外と世俗的なところがあり、お酒が道端で売られていることもある。また、石油など資源もある。うまく支援をして、より良い形にしていきたい」と実情を語った。
不安定さを増す世界情勢に対し永井氏は「リスクが非常に高まっている中、我々が世界にどう向き合っていくのかが問われている」と述べた。
(『ABEMAヒルズ』より)
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