害虫「トコジラミ」の警戒レベルが海外で上がり、韓国では被害が相次いで、自治体が駆除に乗り出す事態になっている。被害にあわないための対策を専門家に聞いた。
【映像】“赤黒いフン”に注意?トコジラミの見つけ方
トコジラミは吸血性で、刺されると数日間眠れなくなるほどの強いかゆみに襲われると言われている。韓国メディアが「ビンデ(韓国語のトコジラミ)」と「パンデミック」を掛けて「ビンデミック」と報じており、日本でも問題視され、その原因にはコロナ規制解除による海外からの人流急増もあるとみられる。
国立環境研究所 室長の五箇公一氏によると、トコジラミは古くから日本にいた害虫であり、戦後の公衆衛生が発達していなかったころには多くの被害を受けていたが、1964年の東京オリンピックを契機に、殺虫剤で駆除されるようになり、都会では見ることがなくなった。しかし、インバウンドなどが活発になることによって、コロナ禍以前から、こうした害虫が都会で発生し、問題になっていたという。
世界中でもニューヨークやロンドンなどの大都市で発生していたが、薬剤の耐性が付いた「スーパートコジラミ」に変化することで、家庭の殺虫剤が効かなくなった。コロナ禍で人流が抑えられたことで「なりを潜めた」が、観光客が国内外を出入りするようになり、顕在化しつつあると、五箇氏は指摘する。
要因としては、観光客だけでなく、「外国からの資材」もある。トコジラミが大流行している韓国などから、通販で直接家庭に届くケースもあり、「海外からの荷物は何が入っているかわからない」と警鐘を鳴らし、「玄関などで荷物を開け、必要なものだけ取り出し、段ボールはビニール袋に入れてすぐ処理する」などの対策を示す。加えて、もしトコジラミの特徴である「赤黒いフン(血糞)」を見つけた場合には生息している可能性があるとして、駆除業者に依頼するしかないと説明した。
(『ABEMA的ニュースショー』より)