クマやシカ、さらにキョンなどに寄生したマダニが人の生活圏内に侵入することによって、マダニが媒介する感染症の脅威が懸念されているという。
 
【映像】致死率30% マダニによる感染症「SFTS」の症状
 
 そのなかでも致死率は最大で30パーセントと言われ、現時点で特効薬もないというのが「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」だ。
 
 国立環境研究所室長の五箇公一氏はマダニについて「血を吸うダニで本来は野山に住んでおり、クマやシカ、イノシシの血を吸っている」と解説。
 
 しかし最近ではシカやイノシシによってダニが下界まで降りてきて、そのダニを外来のアライグマが町の中まで運んできてしまうというのだ。その結果、町の身近な公園でもマダニが出てくるケースが増えており、知らないうちに噛まれてしまいマダニが媒介する病気を発症してしまう。そのなかで特に問題になっているのが新興感染症のSFTSだという。発熱、嘔吐、下痢といった症状が現れ、致死率は最大30パーセント。現段階では特効薬となるワクチンも存在しない病気だ。
 
 五箇氏はSFTSについて「2009年に中国で初めて発生した病気で、日本も2012年から西日本を中心に発症が始まり、侵入源としては大陸から入ってきている可能性が高いとされる」と説明。
 
 「そういったウイルスがじわじわと東日本にもせまってきていて、ここ関東でもこういった病気が広がり始めている」と注意を促した。
 
(『ABEMA的ニュースショー』より)