2023年6月1日からアメリカザリガニとアカミミガメを「条件付き特定外来生物」として規制された件について、専門家がその経緯を解説した。
 
【映像】アメリカザリガニが日本で繁殖したワケ
 
 規制の内容は、飼育はできるが「放出」「輸入」「販売」など禁止するというもの。違反の場合、最大3年以下の懲役または300万円以下の罰金となる。
 
 国立環境研究所室長の五箇公一氏は「アメリカザリガニ自体はけっこう長いこと日本に住んでいる外来生物。すごい数で増えてしまい生態系に対しても深刻な被害をもたらしつつも、なかなか法律で指定できなかった。法律ができてから18年かかってようやく今年、条件付き特定外来生物ということで規制がかかるようになった」と解説した。
 
 アメリカザリガニ分布の経緯については、1927年にウシガエルのエサとして初めて神奈川県大船町に輸入されたがその後、ウシガエルの繁殖場が閉鎖。逃げ出したアメリカザリガニが大船町付近の河川や水田などで繁殖し、その後他地域にも広がり1960年から70年代にかけて全国に定着したという。
 
 五箇氏は日本の生態系を破壊するアメリカザリガニがなかなか規制されなかったことについて「馴染みのある外来種になってしまい、多くの飼育者がいた。普通に家で飼っている人がいっぱいいる」と状況を解説。
 
 「法律で否定してしまうと飼育も禁止しなければいけないということから、逃がしてしまう人がたくさん出てきてしまう恐れがある」と、いきなり指定すると社会的な混乱を招くため、環境省が一旦「待った」をかけていたのだと語った。
 
(『ABEMA的ニュースショー』より)