「一発打ってこいよ」「かかってこいよ」両手を大きく広げ、舌を出して挑発パフォーマンスを見せた次の瞬間、強烈な左フックでアゴを打ち抜かれて衝撃の失神KO負け。まさかの事態に現役王者も「何やってんだよ…」と思わず苦笑い。「なぜあのタイミングで挑発したのか、(挑発で)アゴをあげた瞬間に」と苦言を呈する一幕があった。
12月9日にタイ・バンコクで開催されたONE Championship「ONE Fight Night17」。ドミトリー・メンシコフ(ロシア)とムーシネ・チャフィ(スペイン/モロッコ)の対戦は1ラウンド終了間際にメンシコフが左2発を振り抜いてKO勝利。それまで試合を有利に進めていたチャフィだが、つい調子に乗ってみせた“挑発リアクション”で、一転して奈落の底へと転がり落ちてしまった。
試合は開始からチャフィが猛攻を見せる。メンシコフもフルスウィングで返すが、さらにチャフィがヒザを叩き込み追撃で追い込んでいく。リーチの長さを活かしたヒジや前蹴りを次々と繰り出し、明らかに試合の主導権を握っていたチャフィだったが…メンシコフの左フック1発でダウン。足が浮いたタイミングでの転倒、本人は手を広げて「何でダウンだよ」スリップを主張するも、ダウンを取られパニくったか、このあとチャフィは致命的な判断ミスを犯してしまう。
試合が再開され近距離での打ち合いの場面。有利だったのはチャフィ。パンチ、ヒジ、飛びヒザ、ヒジの連打と次々と打撃が当たりメンシコフが後退しはじめると、勢いづいたか「おい、打ってみろよ」「かかってこいよ!」と突如、メンシコフを挑発。
すると次の瞬間、チャフィを衝撃の結末が待っていた。両手を広げてノーガードのチャフィのアゴめがけてメンシコフの左、さらに左の追撃フックがドカン。まともに打ち抜かれたチャフィは背後に崩れ落ちて完全失神。「打ってこい」「かかってこい」アピールが仇となる悲劇の決着となった。
ABEMA解説で現RISE世界バンタム級王者のRISE志朗は「なんでチャフィはあのタイミングで挑発したのかな…アゴ上げた瞬間に貰って、何してんだよ」と苦笑い。ファンも「うわあ…」「煽ったらやられたw」「調子にのったな」「気絶してるよ…」と次々反応した。
スローリプレーでもチャフィが「カモン!」と煽った瞬間にガードはガラ空き、メンシコフの「それじゃ遠慮なく」と右のフェイントからアゴへの左。効いてのけぞる顔めがけてさらに重い追撃の左で脳を揺らされて終了。倒したメンシコフは拳を銃に見立てて“フっ”と息を吹きかけ涼しい顔でポーズ。「試合中に決して油断してはいけない」とともに「ハードパンチャーを煽ってはいけない」を絵に描いたようなKO劇だった。
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