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【映像】衝撃の左で起死回生のダウンを奪った田丸

 12月16日(土)東京・両国国技館にて「RUF presents RISE WORLD SERIES 2023 Final Round」が開催され、RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament 決勝で田丸辰がクマンドーイ・ペッティンディーアカデミーを下して優勝を果たした。

【映像】衝撃の左で起死回生のダウンを奪った田丸

 日本、タイ、スペイン、フランス、ベルギーから8名の強豪が集まって行われたRISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament。開幕時はRISE世界バンタム級王者の志朗や当時18連勝中の大﨑一貴が優勝候補に名前が挙がっていたが、決勝に勝ち上がったのは田丸とクマンドーイだった。

 田丸は1回戦でムエタイの強豪ペッシラー・ウォー・ウラチャーをKOすると、準決勝では大﨑の連勝記録にピリオドを打って決勝進出を決める。一方のクマンドーイは1回戦こそモハメッド・カルーアに苦戦を強いられたものの、準決勝では志朗を撃破して決勝に駒を進めた。ともに周囲の予想を覆しての決勝進出だったものの、下馬評ではムエタイ・キックボクシングボクシングでも勝ち続けているクマンドーイが有利。田丸にとっては1回戦・準決勝に続いて、アンダードッグとして挑む形となった。

 いざゴングが鳴ると、クマンドーイが強烈な右ミドル・インローで機先を制し、田丸も積極的に蹴りを返すが空振りが目立つ。終了間際にはクマンドーイがパンチを効かせて1Rが終わった。このままクマンドーイのペースで試合が進むかに思われたが、2Rからは「今回のテーマはどんな結果になっても後悔しないこと。やられてもいいから前に出ようと思った」と覚悟を決めた田丸が覚醒する。

 クマンドーイのローキックにワンツーを合わせて起死回生のダウンを奪うと、クマンドーイの蹴りに対して鋭い左ストレートを当てて譲らない。3Rも田丸はクマンドーイの蹴りを受けても集中力を切らさず、左の三日月蹴りからの連打や左ストレートを狙い続け、見事にクマンドーイを撃破してトーナメント制覇を成し遂げた。

 トーナメント準決勝の前に母が急逝し、一時は棄権も考えた田丸だが、それを乗り越えての優勝で、試合後のマイクでは「お母さんのこともそうですけど、色んな想いに支えられてこの結果になりました。周りのみなさんには感謝しかないですし、何より一番は小さい頃から僕に格闘技に専念させてくれたお父さん、そして今は天国にいるお母さんに感謝しかないです。いつもありがとう」と天国の母、そして支えてくれた人たちに感謝の言葉を述べた。

 結果的に世界トーナメントを制した田丸だったが、ここまでの道のりは決して平坦ではなかった。デビューから無敗でRISEスーパーフライ級(-53kg)王者となり、初防衛に成功したあとは5戦して1勝3敗1無効試合と勝ち星から見放された。くすぶっていた田丸がなぜ復活を遂げ、世界トーナメントを制覇するまでに至ったのか。TRY HARD GYMの代表として、田丸の復活劇を間近で見てきたHIROYAはこう語る。

「一番の変化は辰自身が自分を理解するようになったことが大きいと思います。辰の結果が振るわなかった時期はジムのトレーナーが抜けたりと色々あって、辰自身も怪我があったりして、辰が格闘技に集中できていないと思うことがあったんです。でもそこが変わって、しっかりメリハリを持って練習に取り組んで集中してやるようになって結果が出るようになりました。特に今年はトーナメントもあったので、トーナメント優勝に向けて一回戦からやりきる・突き抜ける。そういう気迫や覚悟を持っているところを練習から感じていました。

 また辰は周りを使うのが上手で、今TRY HARD GYMはトレーナーの数も多くて、選手個人がジムの中でチームを作って練習環境を整えるような仕組みにしているんですね。辰は分析力もすごいし、試合が決まるとまず本人からやりたいことを聞いて、それをサポートするような形で練習するんです。そうやって辰は自分に合ったチームを作っていると思います」

 那須川天心がボクシングに転向し、武尊がONEと契約した今、日本の格闘技界には新しいスターの登場が必要だ。今回の世界トーナメントで優勝を果たした田丸は間違いなくその候補の一人だ。田丸自身も口癖のように「僕はスーパースターになりたい」と言い続けてきた。それともう一つ、田丸が言い続けていることがある。それは「僕は天心や武尊さんの後継者になるつもりはない」ということだ。

「天心と武尊さんは誰かの真似をしたわけじゃなくて、自分で自分の道を切り開いたからスターになったわけじゃないですか。だから僕も2人と同じ道を歩くつもりはないし、僕は田丸辰としてスターになりたい」

 試合後のバックステージでも今後の目標について聞かれた田丸は「55kgに上げて志朗選手が持っているRISEの世界タイトルを目指すとか、K-1の金子晃大玖村将史に喧嘩を売るとか色々ありますけど、正直そこまで魅力を感じていません。今の格闘技界は良くも悪くも見たいカードが簡単に実現しちゃう。そうじゃなくて僕がもっともっと突き抜けた存在になって、いつか天心VS武尊を超えるようなビッグマッチをやりたい」と語っている。

 那須川天心でもない。武尊でもない。田丸辰の進む道がスーパースターへの道だ。

(C)RISE

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