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【映像】まるでモハメド・アリのような一撃KO
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 12月16日(土)東京・両国国技館にて「RUF presents RISE WORLD SERIES 2023 Final Round」が開催され、RISE×GLORYとして日本の精鋭7選手がGLORYの強豪たちを迎え撃った。昨年12月にも行われたRISEと“世界最高峰のキックボクシング団体”GLORYとの対抗戦。前回は6戦3勝3敗とイーブンだったが、今回はRISE勢が7戦6勝1敗と大きく勝ち越す結果となった。

【映像】まるでモハメド・アリのような一撃KO

 そのなかで最も価値ある勝利を収めたのは原口健飛だろう。対戦相手のエイブラハム・ヴィダレスはGLORY世界フェザー級(65kg)1位の超強豪。昨年12月のセルゲイ・アダムチャック戦からGLORYの刺客に3連勝している原口だが、そのなかでも最強の相手を迎え撃つ形となった。

 結果は原口が2RにKO勝利。1Rに右フックの相打ちからダウンを奪われた原口が、2Rに同じような右フックの相打ちでヴィダレスをKOするという劇的なものだった。試合展開だけを追えば一発逆転の勝利だが、

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 1Rは原口が得意の蹴り技で先手を取り、強靭なフィジカルと打たれ強さを誇るヴィダレスが一発の重さで反撃に転じる。原口がダウンを奪われた場面も、まさにヴィダレスの体圧が活きたもので、原口曰く「あれはちょっと僕が油断していました。記憶もはっきりしているし、効いたわけではないけど、身体の強さで倒されたような感じだった」という。

 ポイントではリードを許した原口だったが、逆にダウンを奪われたことがチャンスになる。2Rに入ってヴィダレスがよりプレッシャーを強めて前に出てくるのも、原口の狙い通りだった。

「ヴィダレスの過去の試合映像を見ると、ダウンを奪うと自分から攻めてくる、詰めてくるタイプなんですよ。だから2Rは絶対に自分からどんどん来ると思ったし、僕はダメージもなかったから、ヴィダレスが前に出てくる力を利用しようと思いました」

 そして原口はあえてロープまで後退し、ヴィダレスの突進と右の強打を誘った。

「もともと僕はロープ際の攻防が得意で、あの時はわざと自分からロープまで下がって誘いました。ヴィダレスもそうなんですけど、外国人選手は圧力がある分、自分から突っ込んでくるんです。だからそこを狙ってバチコーン!ですね。相打ちっぽく見えたかもしれませんが、ヴィダレスのグローブは顔に触れたくらいで、全然大丈夫でした」

 ヴィダレスを沈めた一撃は、まさにモハメド・アリの“蝶のように舞い、蜂のように刺す”。「外国人選手とフィジカル勝負して勝つのは無理」と断言する原口だからこそ、外国人選手に勝つ術を身につけることができた。

「僕は振り切ってるヤツが強いと思っていて、やっぱり外国人選手とフィジカル勝負して勝つのは無理なんです。僕は外国人にフィジカルでは勝てないというところまで振り切って、フィジカル勝負以外で勝つ武器を磨いています。だから僕は相手のフィジカルや突っ込む力を利用できるのが強みだし、むしろ外国人選手と戦うのは得意で倒しやすい。フィジカル勝負では敵わないけど、僕のスタイルだったら外国人選手も勝てると思っています」

 今大会では原口が過去に2度敗れている現GLORY世界フェザー級王者ペットパノムルン・キャットムーカオとチャド・コリンズがRISE世界スーパーライト級(65kg)王座をかけて対戦し、コリンズが判定勝利を収めた。原口にとってはGLORYを王座を目指すならペットパノムルン、RISE世界王座を目指すならコリンズと2人の標的が出来たことになる。

「みんな忘れてますけどヴィダレスはGLORYの1位で、めっちゃ強いですからね(笑)。今回の勝利は素直に褒めて欲しいし、自分で自分を褒めたいです。改めてペッチ(ペットパノムルン)とチャドの間に入っていける日本人、2人に勝てる日本人は俺しかおらんなと思いました」

 原口・ペットパノムルン・コリンズの3つ巴の戦いが世界の65kg戦線をにぎわしてくれそうだ。

 また対抗戦ではGLORYライト級(70kg)王座への再挑戦を目論む海人がジェームズ・コンデを圧巻の1RKOで下し、6月のフランス遠征で苦杯を舐めた白鳥大珠もザガリア・ゾウガリーを3Rにヒザ蹴りでKOして復活を遂げた。RISE×GLORYを通して世界に通用する選手たちは確実に増えており、今後もRISEが展開する世界戦略がどう広がっていくかにも注目していきたい。

(C)RISE 

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