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【映像】客だった女性と結婚した理由とは?

 女性客に「売り掛け」による多額の借金を負わせ、性風俗の仕事や売春を斡旋する悪質なホストクラブが問題となっている。女性客の心理を巧みに利用するホストの仕事や売り掛け金を巡るトラブルなど、知られざる業界の実態を元ホストに聞いた。

【映像】客だった女性と結婚した理由とは?

 かつて、新宿・歌舞伎町のホストクラブで5年間働いた経験があるリョウさん(仮名)。大手ホストグループに所属し、40人ほどの固定客を抱え、月の最高売り上げが600万円を超えることもあったという。

━━そもそも、ホストはホストクラブに所属する“会社員”なのか?

「店によるかもしれないが、基本は個人事業主であり、ホストクラブから雇われる形になる。そのため、確定申告も自分で行っていた」

━━どのような1日を過ごしていた?

「お店は夜7時から1時までの営業。終わると終礼、30分程度のミーティングを行い、その後は従業員とご飯に行ったり、お客さんとアフターしたりして、寝るのは大体朝方5時6時。次の日は昼ぐらいに起き、ずっとLINEで客にお店に来てくれるよう営業し、また夕方ぐらいからヘアメイクのセットをして出勤、もしくはその出勤時にお客さんと同伴してご飯を食べた後ちょっと遅めに出勤する。こんな1日を繰り返していた」

━━休みはあるのか?

「僕の時は週1だったが今は週2休みが多いようで、店休日プラス自分の好きな日に1カ月に4回休めたり、入社して何年か経つと有休がもらえたりする」

━━どんなお客さんが多い?

「承認欲求が強い子、周りにちやほやされたい子が多かった」

━━お客さんとの関係性は?

「『年間売り上げでこの位の順位を取りたいから今月頑張ってくれない?』などと客の女の子に相談していた。これはアイドルの推し活で、『自分たちが応援したアイドルが有名になって武道館に行ってくれたら嬉しい』という心理と似ていると思う。目標を敷くことで一緒に走れるし、目標を達成した時に『あの時はこうだったよね』という思い出も作れるので、僕はこのストーリーを作っていた」

━━デートではどちらがお金を払うのか?

「基本はお店以外ではご飯もホテル代もホストが出す。月百万円使ってくれたらご褒美に一緒にディズニーランドや旅行に行ったりしていた。全部お客さんに払ってもらっている人もいたが、お店の外でも払ってもらうのはただのヒモ。自分の価値を上げるのためにも『お店では使ってもらうけど、外では俺が出すよ』というスタンスが重要」

━━ホストと付き合って結婚というケースはあるのか?

「めちゃくちゃ少ないが、実は僕自身がそうだ。頻繁にお店に来てくれて、ホストをやっている間も応援してくれた人で、僕は結婚するためにホストを辞めた」

━━ホストを辞めて、“昼職”に転向した際、金銭感覚はネックにならなかったのか?

「やはり、しばらくの間はお金の使い方が変わらず、稼いだ分をすぐに使ってしまった。『あれ? もうお金ない。貯金切り崩そうか』となっていた」

━━今、売り掛けが問題になっているが、客が払ってくれない売掛金はどうするのか?

「ホストが自腹で払う。僕自身、入店したての頃に1カ月で70万円くらい売り掛けを払ってもらえず“飛ばれた”ことがある。だがその際は店に立て替えてもらって、毎月5万円ずつ返済した。売り掛けを払ってくれない子とは大体言い合いになるので、ホテルの中とかで話し合うのだが、手が出てしまったことがある。『この子とはもう切れてもいい』という思いで手をあげるケースもあれば、『依存させてやろう』と計算した上で暴力をふるうホストもいる。回収を巡ってトラブルになることもよくあり、中には女の子の髪を引っ張って歌舞伎町のホテル街を連れ回したり、殴る蹴るの暴行をするホストもいた」

━━性風俗の仕事や売春をさせることを前提に、高額な売り掛けを負わせる悪質ホストクラブも存在するというが。

「自分から風俗に働きに行く子も多いが、強制的にやらせる店舗もある。18歳、19歳なら風俗で働けるし、高校卒業したてでアダルトビデオの契約をすればプレミアがつく。ホストが風俗などの仕事を仲介するケースもあった」

━━売り掛けを禁止する動きについてどう思うか?

「現金オンリーになるため、1日の売り上げがガクッと下がる。そのため、従う店もあれば、裏で売り掛けを続ける店もあるだろう。正直、制度で廃止したところで各店に毎回立ち入りできるわけではないので、取り締まるのは難しい。とはいえ、業界がクリーンになっていくのはいいことだ」

(『ABEMAヒルズ』より)

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