政治資金パーティー券の裏金疑惑で大揺れの岸田政権を政治ジャーナリストの青山和弘氏が解説した。
 
【映像】パー券裏金疑惑で変化?岸田政権の勢力図
 
 終わりの見えないパーティー券問題に揺れる自民党だが、特に最大派閥の安倍派は5年間で約5億円ともみられる議員へのキックバックが裏金化されていた疑いがあり、東京地検特捜部は所属議員の一部を任意で聴取を始めるなど、成り行きが注目されている。
     
 現在の「自民党内の力学」について青山氏は、「いま三頭政治といって、岸田さんはこの(麻生太郎副総裁と茂木敏充幹事長との)3人で岸田政権というのは基本動いている状況。ただ茂木さんが今回この問題が起きて『岸田さんが倒れれば次は自分じゃないか』ということで、やはりこの問題解決に対する動きが鈍い」と、岸田総理と茂木氏の関係は完全に冷え切っていると説明。「そのなかで岸田さんが頼りにしているのが麻生(太郎)さん。麻生さんに全部相談しているような状況になっており、麻生さんもかなり岸田さんにいろいろな指示をしている」と、岸田総理の麻生氏に対する「依存関係」が非常に強まっているのだと語った。
     
 安倍派については「安倍派を一掃して、安倍派の人たちが完全に岸田さんに対する信頼関係を失っている。『ふざけるな』みたいになっているので、非常に岸田さんの政権基盤は厳しい状況」と説明。
     
 また、非主流派については「菅(義偉)さんが今回の問題を表ではあまり言っていないが、かなり批判的な発言をしてきている。岸田さんと菅さんの間は冷え切っている。森山(裕)さんという人だけ、いま総務会長ということで岸田さんは信頼を置いているが、非主流派、小泉(進次郎)さんそして石破(茂)さんにつながる人たち、このあたりがどう今後“反岸田“の動きを出してくるのかどうか。ここが大きなポイントになってくる」と語った。
     
 元衆議院議員の宮崎謙介氏は、麻生氏がキーマンになるとして「最終的に麻生さん以外に頼る人がいないというのは間違いない」とコメント。
     
 青山氏は、麻生氏が「岸田さん、もうそろそろお疲れさん。ここで引いたほうがいい」という立場になれば、岸田政権は崩壊するとして「麻生さんの存在が大きくなってきている。見限ったら終わり」と解説した。
     
(『ABEMA的ニュースショー』より)