元衆議院議員の宮崎謙介氏が、自民党のパーティー券問題について語った。
 
【映像】意外と知らない国会議員の年収
 パーティー券裏金疑惑をめぐり、自民党・安倍派では5年間で約5億円ともみられる議員へのキックバックが、裏金化したとの疑いがある。かつて自民党の衆議院議員だった宮崎氏によると、同じ国会議員でも、立場によって資金力は異なるという。例えば、同じ衆議院の支部長でも、小選挙区と比例選出では、必要な支出が変わるため、「パーティーをして資金を得ないと、事務所運営ができない」とした。国会議員の秘書は、3人まで公設秘書として雇えるが、自民党衆議院議員(小選挙区)の場合は、秘書が平均8〜10人いるため、それだけの人件費が「真面目にやろうとすれば必要」と宮崎氏は語った。
     
 秘書は、地元回りや陳情対応、会合出席など、議員の代わりとして駆り出されるが、野党では「そこまで仕事がなく、事務所の人が少ないこともある」として、立場によって異なる実情があるのだと、宮崎氏は説明する。その上で、今回の問題は収支報告書に記載しなかった点だと話す。
 
「他の派閥がみんなやっているなか、安倍派だけが不記載が大きい。(かつて宮崎氏自身は)二階派だったが、この現実があることは正直知らなかった。派閥の財布事情は僕らも知らない。この間、麻生派の議員と話したが、『安倍派そんなことやってたんだ』と驚いていた」(宮崎謙介氏)
 
 ジャーナリストの青山和弘氏は、「政治資金は無税。いくらパーティーで収入があろうとも、税金がかからない」として、収支報告書未記載の問題点を指摘する。
 
「いまは『政党助成金』という税金が、政党に300億円以上払われている。特権を持っている。普通の人なら所得があったら申告する。所得隠しをしたら国税庁が来る。それなのに今回、政治家が5億円もの所得を隠したのは、絶対にあってはならない」(青山和弘氏)
 
 これに対して、宮崎氏は「政党交付金の多くは、党本部に取られているように感じる」といい、選挙区の支部長などに均等割されておらず、「カツカツだった。3年で数千万の借金を背負った」というが、先輩議員からは当時、「5期ぐらいになったらペイ(回収)できる」と言われたと振り返った。
 
(『ABEMA的ニュースショー』より)