12月16日(土)東京・両国国技館にて「RUF presents RISE WORLD SERIES 2023 Final Round」が開催され、RISE QUEENアトム級王者・宮﨑小雪がタイのモンクットペット・カオラックムエタイに判定勝利。2021年1月から続く連勝記録を「11」に伸ばした。

 2021年3月にRISE王座を手にした宮﨑だが、この1年間の躍進には目を見張るものがあった。昨年12月のRISE両国大会で初代シュートボクシング日本女子アトム級王者MISAKIとの日本人対決に勝利すると、3月のRISE有明アリーナ大会で韓国のビョン・ボギョン、8月のRISE大田区大会でタイのジョムリットアットを立て続けにKOし、女子でも倒せるスキルとパワーを証明した。

 そして2023年を締めくくる一戦では、ムエタイの名門ペッティンディーアカデミーの刺客・モンクットペットと対戦。モンクットペットは日本の伊藤紗弥と藤原乃愛に勝利し、86戦80勝5敗1分というムエタイらしい驚異的な戦績を誇る選手。しかも宮﨑を上背で7㎝も上回り、リーチ差を考えるとやりづらいタイプの相手だ。

 しかし宮﨑はこの難敵をしっかりと攻略してみせる。モンクットペットがリーチを活かした右のミドルキックで試合を組み立てようとすると、サウスポーの宮﨑は左のインローを蹴り返す。ムエタイ選手相手にミドルキックを蹴られ続けると、距離を詰めきれずに試合のペースを奪われてしまうものだが、宮﨑はモンクットペットのミドルキックにインローをしつこく蹴り返すことで、ミドルキックを蹴りづらい状況を作ったのだ。

 2Rに入ると宮﨑がインローそのものを効かせ、ボディブローもヒットさせ始める。3Rには左ハイキックをどんぴしゃりのタイミングで当て、事実上、ダウンといってもいい一撃も決めた。その後はモンクットペットも意地を見せて倒されることはなかったが、最終的には宮﨑が大差の判定勝利を収めた。

 試合後は「やっちゃいました。ポイントで大差がついていて、技術でも圧倒できていたので、最後は倒さないといけなかった試合。ボディもローも効いていたので、攻撃を上下に散らしつつ、どこか一カ所を集中して攻められなかったことが倒せなかった原因です」と反省しきりだった宮﨑。しかし攻略が難しいムエタイ選手をフルラウンドに渡って技術で圧倒したことは、KO勝ちとは違う形で強さを見せたと言っていいだろう。

 この試合はリングサイドでK-1女子アトム級王者・菅原美優が観戦し、宮﨑もリング上から「日本人で倒さなきゃいけない相手がいます。K-1の菅原選手とやりたいです」と対戦をアピール。バックステージでは「来年のどこかのタイミングでやりたい」と具体的な時期も明かした。

 現在のRISE×K-1において宮﨑小雪VS菅原美優は女子アトム級頂上決戦と言える一戦だ。「THE MATCH 2022」では女子の対抗戦が組まれることはなかったが、今はその機運も高まりつつある。対抗戦への第一歩を踏み出し、ビッグマッチ実現へ。宮﨑は2024年もRISEの女子エースとして戦い続ける。

©RISE CREATION