試合前から放送席とネットがざわついた。“麦わら帽子”姿で颯爽と登場した19歳、192センチの長身ファイター。見た目もさることながら、長い手脚を生かした戦いぶりも“強烈”で、強豪選手を圧倒する様子に「ルフィみたいだ」「まるでダルシム」「CG見てるみたいw」など、人気漫画のキャラがリングに登場したかのような大盛りあがりを見せた。
【映像】CGのような「ゴムゴム感」で圧倒した19歳ファイター
12月22日にタイ・バンコクで開催されたONE Championship「ONE Friday Fights 46」でナビル・アナン（アルジェリア / タイ）とムアンタイ・PK・センチャイ（タイ）が対戦。試合は3ラウンド判定でアナンが勝利した。ムエタイの実力者相手に19歳の若手がアップセットを演じたが、誰もが納得するアナンの“チートすぎるリーチ差”に注目が集まった。
試合前から大盛り上がりだった。アナンが麦わら帽子を頭にかぶって入場すると、ABEMAの実況小出アナが「おっとこれは…我々にも馴染みの深い『ONE PIECE（ワンピース）』の世界ですね」」と一言。これに解説が「ゴムゴムの…それぐらいリーチあります」「リアル・ゴムゴムのピストルが見られそう」と応じると「手脚は伸び切ってますが…体系もルフィに似ている」と実況がさらにかぶせるほどのインパクト強めのキャラだ。
ムエタイの世界では珍しい身長192センチで19歳のアナン。ONEデビュー戦こそ“トップ中のトップ”スーパーレック・キアトモー９を相手にノックアウトの屈辱を味わったが、可能性の塊のような若い才能だ。ただし対戦相手は勝率80％、“エルボーゾンビ”の異名で知られる強豪の一角だ。
試合は開始から相手との身長差20センチ、見下ろす高さから手脚が伸びるアナンの規格外の攻撃が際立った。ムアンタイはローで切り崩しを狙うが驚くほど距離が遠く、遠隔攻撃のように遠くから飛んでくる手脚をひたすら被弾する苦しい展開。
ファンからも「ジャブがくっそ遠くから飛んでくる」「肘の射程も長いｗ」「たしかにルフィだわ」「ゴムゴムのパンチ」「CG見てるみたいw」など、アナンが攻撃を繰り出す旅にコメントが殺到。さながら「ゴムゴムの…」大喜利状態となった。
何とか距離を詰め、得意のヒジを当てたいムアンタイだが、射程に入ろうとすると長い手脚が「ビヨ～ン」。強引に距離を縮めると、アナンは高身長を生かした顔面へのヒザでひと刺しして牽制。アナンはムエタイの強豪をまるで子どものように蹂躙する。
2ラウンド、流れを変えたいムアンタイは一気にプレッシャーをかけるが、アナンのチートすぎるスペックに有効打は一向に増えない。ムアンタイ的にフラストレーションのたまる展開に実況解説も苦笑いを浮かべながら「前蹴りもまるでダルシム」「巨神兵」など、今度は人気ゲーム『ストリート・ファイター』でも“伸びる手脚”でお馴染みのダルシムに例える始末。
ただアナンはデカいだけでなくヒジ、ヒザに殺傷能力があり、細くて弱そうな脚も耐性が高い。「ムアンタイが何にも出来ない…」とファンが絶句する展開のまま、勝負は3ラウンドへ。ムアンタイもローを積極的に蹴るが、最後までゴムゴムの遠隔攻撃に決定的なダメージを与えられず、逆にカウンターのヒザを貰いダウン。実況も「ゴムゴムのヒザが伸びました」「ゴムゴムのテンカオ」などリアル・ルフィを目にしたかのように盛り上がった。
試合は判定3-0でアナンの圧勝。強豪からの金星と呼ぶには余裕すぎる勝利に「この選手フィジカルがついたらヤバそうだ」「高身長ってやっぱり有利だな…」とファンも納得の様子だった。
