2023年のアニメ界、さらにはエンタメ界のど真ん中にいたと表現しても過言ではないのが、アニメ【推しの子】だ。どのジャンルにも振り分けができない漫画原作を絶妙にアニメ作品として転換し、衝撃的な第1話が放送された4月からロケットスタートを決め、7月末までの1クール・全11話が終了した後も、まだまだ話題が尽きない。このアニメ【推しの子】と強烈な化学反応を起こしたのが、YOASOBIが手掛けたオープニング曲「アイドル」と、女王蜂によるエンディング曲「メフィスト」だ。メインメインキャストであるアクア役・大塚剛央と、ルビー役・伊駒ゆりえの2人も、この楽曲のインパクトに驚いた。
主人公のアイドル・アイがジャケットにもなっている「アイドル」は、アップテンポでかっこよく決めていくというテイストの楽曲…と思いきや、ラップパートに入っていきなりダークな雰囲気が吹き出るという、明と暗が混在している。このギャップがアニメ【推しの子】の枠を飛び越えて記録的な大ヒット。YouTubeでの再生回数は、もうすぐ4億回に届こうかという勢いで、各種表彰でも次々に大賞に選ばれ、上位にランクインしている。また「メフィスト」は、アニメ本編のラスト部分とイントロが重なるように入ってくる構成になっており、本編が終わった瞬間に「ラストチャンスに――」と、冒頭部分が入る。またボーカルのアヴちゃんが【推しの子】のイメージそのままに、アイドルしてステージに立ち衝撃的な結末を迎えるMVも再生回数1400万回を突破した。
－【推しの子】については、オープニングの「アイドル」、エンディングの「メフィスト」がいずれもヒットしました。
大塚剛央 これぞまさに化学反応という感じなのかなと思いますね。楽曲に関わっているわけではないですし専門家でもないので、どういうシナジーがあってとか言えないですが、感覚的に第1期のオープニング、エンディングはあれしかなかった。すごくがっちりはまったシンデレラフィットみたいな、その結果だと思いますね。
伊駒ゆりえ 初めて「メフィスト」を聞いたのは、確かリハVに入っていた時ですね。台本チェックの映像にエンディングのラフ画もあって、そこに曲が入っていて初めて出会いました。その時に「これは！！」と思ったのを覚えています。曲の力ってすさまじいものがあるじゃないですか。【推しの子】のエンディングは「メフィスト」しかなかったんじゃないかなと。今になっても思います。それをみなさんも感じ取ってくださっているからこそ、エンディングが（Xの）トレンドに上がることも多かったのだと思います。
「アイドル」に関しては、【推しの子】を見ていない方が、「アイドル」という曲を知って、そこから【推しの子】を見てくださったと耳にすることがよくありました。「アイドル」という曲は、【推しの子】の世界、アイの人生を表しているような、ストーリーの盛り上がりを曲の中で感じることができます。だからアニメを見た時に相乗効果で盛り上がっていて「本当にこれしかなかったよね！だよね！」みたいな。どちらも力を引き出し合っている関係性が素敵だったなと思います。
2023年の音楽シーンを席巻した「アイドル」に関してはMVの中心こそアイだが、楽曲の最終盤にアクア、ルビーの2人が出てくる。「アイドル」から【推しの子】を知った人からすれば、「最後に出てくるあの2人は誰だ！」ということにもなり、ここからさらに作品への流入も大きなものになった。もちろん流れ込んできた音楽ファンを受け止めて、アニメファンにもしてしまったあたりは【推しの子】の作品パワーがあってこそ。どちら片方でもビッグヒットにはならず、また意味深げなエンディングの「メフィスト」で締め括ったことも、さらに盛り上がりを広げた。アニメとテーマソングの理想形が、ここにあった。
(C)赤坂アカ×横槍メンゴ／集英社・【推しの子】製作委員会
アニメ『【推しの子】』放送回一覧（動画リンクつき）
| 話数 | サブタイ（タップで動画へ） | 見どころ |
|---|---|---|
| 1 | Mother and Children | アイの愛、圧巻の作画 |
| 2 | 三つ目の選択肢 | 見事な重曹の舐めっぷり |
| 3 | 漫画原作ドラマ | ワルカッコいいアクア |
| 4 | 役者 | 『今日あま』作者の涙… |
| 5 | 恋愛リアリティーショー | 色々とガチなぴえヨンダンス |
| 6 | エゴサーチ | 眼前で検索ワード読上げの暴挙 |
| 7 | バズ | あかねの壮絶な演技力… |
| 8 | 初めて | アクア、1話で3人オトす |
| 9 | B小町 | 本気が過ぎるかなPV |
| 10 | プレッシャー | ぴえヨンの地声、ガチイケボ |
| 11 | アイドル | 赤子の頃と変わらぬオタ芸 |
| 12 | 東京ブレイド | 姫川とかな、迫真の掛け合い |
| 13 | 伝言ゲーム | 原作者、脚本家にバチギレ |
| 14 | リライティング | 師匠と弟子の修羅場 |
| 15 | 感情演技 | ホラーすぎるゴローの影 |
| 16 | 開幕 | 迫真の「一緒に殺してあげる」 |
| 17 | 成長 | メルト覚醒！ |
| 18 | 太陽 | ホラーみ溢れるあかね |
| 19 | トリガー | かな覚醒の瞬間 |
| 20 | 夢 | アイが死ななかった世界 |
| 21 | カイホウ | アクアの目から星が消える |
| 22 | 自由 | アイの墓に現れたカミキ |
| 23 | 再会 | ルビー、故郷で絶望の対面 |
| 24 | 願い | ルビーが見せた漆黒の意志 |
『【推しの子】』をみた人がよくみている作品
グッズ通販の特設サイトがOPEN！
