自民党の「パーティー券裏金」が常態化した背景には、政治活動における資金不足があるといわれる。
 
【映像】政治にカネがかかるのはなぜか?舛添氏が回答
 
 では、どうして多額の資金が必要になるのか。元自民党参院議員で、元東京都知事の国際政治学者、舛添要一氏が解説する。「1回も派閥に入ったことがない」と語る舛添氏。自身はキックバックとは無縁だったものの、販売ノルマに追われた「嘆き節」は聞いたと語る。その上で、「私腹を肥やすために使っているとは思わない」といい、理由を「とにかく選挙に金がかかる」と説明する。
     
 根源には「地方議員や、その下にいる有権者の“ゆすりたかり体質”」があるという。掲示板のポスターを張るにも、地方議員の協力が必要だといい、「(協力者は)裏金でもらいたいから、ポケットにねじ込まなきゃいけない」。みずからの選挙区の場合、ポスター掲示には600万円かかるそうだ。「金がかかる選挙をやめない限り、みんなどこかで抜け穴を探す」との理由から、掲示板を廃止して「スマホで見ればいい。できない人は選挙公報を見て、政策を勉強する」といった、時代に合わせた選挙のスタイルを提案した。加えて、「立会演説会はいいが、街宣車はやめないか」とも提言する。
 
「名前を言うだけでも、ウグイス嬢は、めちゃくちゃ(費用が)かかる。なんで子どもが寝ている時に、ギャーギャー名前だけを言っていくんだ。あの車を借りて、看板からなにから、ものすごくお金がかかる。そういう事をやめる時代が来ているんじゃないか」(舛添要一氏)
 
 政治ジャーナリストの青山和弘氏は「これだけの大疑獄が起こったのだから、チャンスに変えないといけない」と舛添氏の考えに同意しつつ、「投票はなんで、いまだに紙に書くのか。デジタル化すればいいじゃないかとの考えもある」と語る。また、現行制度においては、官邸は「官房機密費」、政党は「政策活動費」として、領収書が不要で、何に使ってもいい「裏金」が公的に存在していると指摘する。
 
「そこからヒエラルキーの末端に『実弾』が打ち込まれる。戦後直後の混乱期だったら必要だったかもしれないが、まったくシステムが変わっていない。これだけ『透明化』と言われている時代なのだから、政治の問題を見直すチャンスに変えてもらいたい。そうすれば、日本が一歩進むきっかけになる、と期待したいところだ」(青山和弘氏)
 
(『ABEMA的ニュースショー』より)