1993年6月、宮沢喜一内閣不信任決議案の採決で、当時自民党議員だったにも関わらず賛成に投票した、小沢一郎衆議院議員(現・立憲民主党)。史上まれにみる造反劇で、衆議院は解散。離党後は新生党を結党し、非自民となる細川連立政権誕生の立役者に。また、2009年の民主党政権発足にも大きく貢献。2度の「政権交代」を実現した“政界の壊し屋”こと小沢氏は、政治資金パーティーを巡る問題で揺れる今の自民党をどう見ているのか。26日の『ABEMA Prime』で語った。
■“政治とカネ”問題がなくならないワケ
なぜこの問題はなくならないのか。小沢氏は「どんな規則でも、それを運用する人の倫理観や正義感が重要だ。どんなに良い組織でも、悪い運用をしたらダメになってしまう。今の問題は何かを直せばすぐよくなるものではない。一人ひとりの政治家、元を正せば国民自身がしっかりしなくてはいけない」との見方を示す。
さらに「政治資金の運用を正すとすれば、入ったお金も出たお金も1円から公表すればいい。わざわざ裏金にする意味も全然わからない。国民のお金だから、収賄ではない限り浄財だ。企業だろうが個人だろうが、“こういう人からもらい、こういうことに使った”と問いかけ、国民は悪いと思ったら次の選挙で投票しなければいい」とした。
ジャーナリストの堀潤氏が、「石破さんが幹事長の時代は、10億円ぐらい使っていたという。二階さんは50億円という数字だ。47歳で幹事長をやられていた小沢さんは、どのくらいの額を使っていたのか」と問うと、小沢氏は「お金は相当集めた。財界からもだ」と回答。
その使い道については、「選挙には金がかかる。一番はメディアで、アメリカはテレビをかなり使うので100~1000億円とかかる。日本でもテレビを良い時間帯で依頼すれば、1、2分で10~20億円だ」と述べた。
■「自民党に活力がなくなった。情けない」
自民党の派閥政治について、小沢氏は「良いところと悪いところがあり、それもまた運営の仕方次第だ。人の集まりだから派閥ができるのはしょうがないし、みんなで力を合わせようというのは何も悪いことではない」と述べる。
また、自民党内で“岸田降ろし”の動きがないことについては「自民党に活力がなくなった。情けない」と指摘。一方で、「それは野党も同じだ。活力がないのは、政治家に志がないということ。どんな夢でもいいから自分がトップに立って、世の中を良くしたいとか、みんなのためにやりたいといった大きな志がないといけない」。
その背景に国民の姿勢もあげ、「海外でこれだけの事件が起きたら、総理官邸に何万人も押しかけて『辞めろ』とデモを起こすだろうが、日本人はケロッとしている。政治家個人の資質もあるが、国民もそうだ」と語った。
(『ABEMA Prime』より)
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