“ホーム”のはずが、実は“アウェー”だった!?全国を8つのブロックに分け、エリア対抗として行われる団体戦「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」で監督の山崎隆之八段(42)率いる『中国・四国』が、岡山県倉敷市で地域会を開いた。「地元ファンから応援のパワーをもらおう」との企画のもとファンとの交流を図ったチーム中国・四国だったが、「中部地区所属の藤井聡太八冠を応援しています」とライバルチームの絶対王者を推す正直すぎる声に、山崎監督はタジタジとなっていた。
【映像】少年の正直すぎる回答にダメージを受ける山崎八段(14分頃~)
山崎監督を含む10人の棋士がエントリーしたチーム中国・四国。棋士の数は多くないものの、竜王経験者の糸谷哲郎八段、王位経験者で新年7日に開幕する王将戦七番勝負挑戦者の菅井竜也八段、さらに加古川青流戦を制した18歳の現役最年少棋士・藤本渚四段ら注目棋士が名を連ねている。
本大会は、羽生善治九段が日本将棋連盟就任直後から掲げていた「将棋を通じての地域活性化」の理念を元に、将棋連盟100周年企画として“地域を背負う”をコンセプトに開催される団体戦。監督はエントリー棋士の中から、実力・人気・地域への貢献度など様々な要素を元に「大会出場棋士」4人を選抜しトーナメントへ臨む。この日は選抜棋士の選出はもちろん、地元ファンから応援パワーをもらうべく、チームの精神的支柱でもある大棋士・大山康晴十五世名人の出身地、岡山県倉敷市で「地域会」を開いた。
広島市出身の山崎監督、同出身の糸谷八段、山口県周南市出身の徳田拳士四段、倉敷市出身の狩山幹生四段の4人が向かったのは、川沿いに趣のある景観が美しい倉敷美観地区へ。街ぶらをしながら地元から応援パワーをもらっていた。
次に向かった先はチームの“本拠地”とも言える「大山名人記念館」。大山十五世名人が愛用した盤駒や様々な展示物で足跡を知ることができる記念館でファンとの交流を図った。4人は子どもたちと指導将棋をして楽しんだがレベルは高く、新進気鋭の徳田四段も「めちゃくちゃ強くて動揺しています」。子どもたちからもパワーを受け取り、大会に臨む士気を高めていた。
山崎監督も少年との指導対局の臨んだが、「好きな棋士」を聞いたところ、返ってきた答えは「藤井聡太八冠」!杉本昌隆八段が率いるライバルチームの『中部』にエントリーした“絶対王者”の名に、「それは当然ですよね!」と表情を引きつらせていた。それでも「じゃあ、(藤井竜王・名人と山崎八段)どっちも応援してくれる?」と食らいついたが、少年の意志は固く“藤井竜王・名人応援”一筋の様子。“ホーム”での地域会のはずが、“現実”を突き付けられた山崎監督はタジタジに。「正直だ!素晴らしいです。子どもは正直が一番です」と苦笑いを浮かべざるを得ない様子だった。
わずかな時間ながらファンとの交流を楽しんだチーム中国・四国は、スローガンを「力戦 個性派 大進撃~大山 升田の如く~」に決定。山崎監督は「藤井竜王・名人のファンであることを熱く語ってくれた子もいましたが、中国・四国の棋士もぜひ熱く応援していただければ幸いです!」と挨拶し、地元と心をひとつにしていた。
注目の大会出場棋士は1月6日放送の監督会議で発表される。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)