【TOYO TIRES CUP 2024】日本代表 5-0 タイ代表(1月1日/国立競技場)
日本代表にとってゴールシーンを含めても、タイ代表との元日決戦で最も息のあったコンビネーションの1つだった。
日本代表が1点リードで迎えた69分。堂安律が右サイドの開いた位置で足下にボールを受ける。背番号10はそのまま中央にボールを持ち出すと、斜め前方の南野拓実がその隙に相手DFのギャップに入り込む。
すると堂安は横パスを入れるそぶりを見せながら得意の左足で鋭い縦パス。受け手の南野はするりと身体を入れ替えながら巧みなワントラップで前を向き、ペナルティーエリア内で右足を振り抜いた。
シュートは惜しくもゴールの枠を外れたが、受け手と出し手のイメージがしっかり共有されていたからこそ生まれた、素晴らしい仕掛けとフィニッシュだった。
堂安は後半頭から、南野はこのビッグプレー直前の68分からの途中出場だったが、まさに阿吽の呼吸。91分の南野のゴールも、堂安との連携が起点となって生まれている。実際、試合後にはお互いとのコンビネーションに手応えを感じていた。
堂安が「拓実くんに通したパスは、彼が活きるプレーでしたし、狭い局面でも質が高ければ通る。アジアカップでも通用する。拓実くんとは長くやっているので」と語れば、南野のビッグチャンスのシーンについて次のようにコメントしていた。
「ああいうプレーは自分の得意なプレーです。最終ラインの間で常に顔を出して速いボールを入れてもらってというのは、(事前に)律とも話していて。僕のそういう特長を分かってくれている選手は多いし、律とは分かり合っている関係だからやりやすいというのはあります」
ここ数年で一気に顔ぶれが変わった日本代表の攻撃陣にあって、南野と堂安は伊東純也、浅野拓磨と並ぶいわば古株。2018年8月の森保一監督就任当初から招集され続けているアタッカーは、今やこの4人だけだ。
1月12日に開幕するアジアカップには、この4人に加え、タイ戦にも帯同していた中村敬斗、上田綺世、細谷真大、そして三笘薫、久保建英、前田大然などのアタッカーが登録されている。スタメン争いは超熾烈だが、「分かり合っている」堂安と南野のコンビネーションは日本代表の大きな武器の1つになるに違いない。