電気・ガス・ガソリン、そして3万品目以上の食品と2023年はまさに「値上げの一年」だった。
2024年の物価はどうなるのか? 経済ジャーナリストの後藤達也氏に聞いた。
近年の値上げについて後藤氏は「1〜2年前の値上げはエネルギー・穀物の価格上昇や円安などの影響でコストが膨らんだ結果、『すみません。値上げさせてください』というスタンスだった。だが最近はしっかりした需要に基づいた“謝らない値上げ”が始まっており、この傾向は続くだろう」と述べた。
さらに“謝らない値上げ”について「今までの日本では値上げをすることで『顧客が離れるかもしれない』『イメージが悪化するかもしれない』と恐れ、躊躇したり、謝りながら値上げする企業が多かった。しかし最近は、大企業が年に何度も値上げをしたり、実務面においても『値上げの際はこんな風に取引先と交渉すればいいんだ』と理解が進んだことで値上げに対する文化が少し変わってきた」と説明。
値上げと関連した賃上げについても「値上げなどで利益を確保できていれば賃上げもしやすくなり好循環も生まれる。人手不足と業績好調の影響もあって2023年の10月あたりから『来年の春闘では賃上げします』と宣言する経営者が続々と出てきており、働く側から見ても展望は明るく転職もしやすくなっている。企業がしっかり稼ぎ、賃上げがなされ、人も動くようになれば、経済全体として明るい方向に進むかもしれない」と解説した。
一方で値上げと聞くと「生活が苦しくなる」という声が上がるのも事実だ。
これに対して後藤氏は「そもそも『景気はどうですか?』と聞かれて『すごく良いです』と答える日本人は非常に稀だ。だが、実際に企業の景況感などを見ると過去20年間で1番いいぐらいで、特にサービス業などは上がってきている」と述べた。
(ABEMA NEWS)