12月31日(日)さいたまスーパーアリーナにて「にゃんこ大戦争 presents RIZIN.45」が開催され、MMA初挑戦の皇治が三浦孝太からTKO勝利を収めた。

 4月のRIZIN.41芦澤竜誠に敗れ、キックボクシングからMMAへの転向を表明した皇治。青木真也や黒帯柔術家の竹浦正起らと練習を重ねて、来るべきMMAデビューに備えてきた。

 大晦日までに皇治には何度かMMAデビューの話があった。9月のRIZIN.44のリング上では榊原信行CEOから、翌週のRIZIN LANDMARK 6 in NAGOYAでの朝倉海戦を公開オファーされたこともあり、それ以外にも何度かデビューを打診されていたという。

 結果的に皇治のMMAデビューは大晦日まで延びる形になったが、榊原CEOは「当初皇治からは7月・9月にデビューしたいという感じだったのが、本格的にMMAをやればやるほど奥深さを知って、もう少しデビューを後ろにして練習する時間が欲しいという申し出があった。海の件にしてもMMAに真剣に向き合ったからこそ、今は敵わないと思ったはず。話題性だけでいったら(VS朝倉海を)受けていたかもしれない」と明かしている。

 そして満を持してのMMAデビュー戦。三浦と比較して格闘技歴では勝っている皇治だが、MMAに関してはすでに3戦経験している三浦の方が上だ。試合が始まると皇治は慎重な立ち上がりで、遠い間合いから攻撃を繰り出した。三浦の右ストレートを被弾する場面があったものの、左フックのカウンターを合わせて、優勢に試合を進める。2Rに入ると皇治が三浦のタックルを来ってヒザ蹴り。ヒジ打ちでダウンを奪うと、最後は宣言通りのサッカーボールキック連打で試合を終わらせた。

 見事にMMAデビュー戦で勝利を飾った皇治は、試合後のインタビュースペースで「MMAを舐めたらダメですよね。MMAは大変な競技やなと思いますし、実績がある選手に勝ったわけじゃないんで。MMAの選手が立ち技にいったら、立ち技の選手が『負けるか!』と思うのと一緒で、立ち技の選手がMMAにポッと行って勝てるほど甘い世界じゃない。もっともっと精進しようと思います」と、勝利の喜びよりもMMAに厳しさ・難しさを語った。

 2024年の目標を聞かれ、過去に因縁のあるフロイド・メイウェザーの名前を出す場面もあったが「自分はK-1時代に強いヤツらに挑んできて、それもかっこいいし、勇気がいると思うけど、今は34歳の俺が地道にMMAをやる姿を見せたい。MMAは甘くないと思っているし、実力で朝倉海とやれるところまで持っていきたいですね」と決意表明している。

 大晦日というお祭り要素の強いイベントでのMMAデビューだったが、皇治のMMAへの本気度は確かだ。三浦戦はあくまで皇治のMMAファイターとしての第一歩。これから皇治が必死にMMAで強くなる姿、そして勝つ姿を見ていきたい。

文/中村拓己
(C)RIZIN FF