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【映像】笑顔で大会への期待を語る羽生善治九段

 将棋界に強く光が当たっている近年、新たな魅力を伝えるタイミングが来た。日本将棋連盟100周年の記念ともいえる新年企画「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」。将棋による地域活性化を目指す日本将棋連盟会長・羽生善治九段(53)の意図が、早くも対局企画となって実現する。昨年の新語・流行語大賞には“観る将”がトップ10入りを果たすなど、新たな将棋ファンも増える中で「さらなるおもしろさを感じてもらえたり、今まで関心がなかった人たちに応援していただけるような企画になればいい」と、将棋界を率いる立場として、力を入れている。

【映像】笑顔で大会への期待を語る羽生善治九段

 藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)の大活躍により、2010年代後半から、将棋界の雰囲気はガラリと変わった。新たな天才の出現により、メディアでの露出も急速に拡大。藤井竜王・名人の戦いぶりだけでなく、対局中の食事やおやつ、さらには対戦相手など様々なところが注目された。2023年に八冠独占という大きな節目を迎えたが、七冠時に独占を果たした羽生九段からしても、この盛り上がりをさらに全国的に広げ、地域の活性化につなげたいという思いがある。

 関東A(茨城・栃木・群馬・千葉・埼玉)を率いることになり、チーム結成のイベントを行ったところ、早くも熱烈な応援を受け取った。「一度(千葉県)柏市に伺いました。将棋大会があって、そこでこの企画の話をしたりチームスローガンを決めたりしました。ものすごく熱気に溢れていました」と、将棋熱をダイレクトに感じた。羽生九段は歴代最多のタイトル99期を獲得するなど、個人としても数多くのファンから応援されてきた立場だが、今回は関東Aというチームを“箱推し”されるという、初の感覚を得ている。「地元に対する貢献ができれば素晴らしい」と、恩返しをするような意味合いも、この大会には込められている。

 関東Aにエントリーした棋士は自分も含めて25人。この中から、試合に出場する4人の棋士を選ぶ。タイトル経験がある者、順位戦A級に在籍している者、ベテラン、若手と実に豊富な人材が集まった。「かなり迷いました。やはりトーナメントで活躍して勝ち上がっていくことが、その地域を盛り上げていく面で非常に大事なんじゃないかなと。最終的には、このフィッシャールールでの実績がある人たちを中心に選びました」と、イベントなどでのファンサービスもあれど、戦いの場ではガッツリと勝ちを目指すと明言した。

 狙うはもちろん優勝。初の開催ということもあり、同じ団体戦でも3人1組で戦う「ABEMAトーナメント」は対局に出場する条件などが異なっている。試合開始ぎりぎりまで「ルールの特性をずっと考えています。どういうあり方が一番いいのか、今も頭の中で模索しています」と、必死にシミュレートした。将棋界の発展、地域の活性化を目指す連盟会長・羽生九段。ただ棋士としては、誰よりも勝利に貪欲だ。

◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

【映像】笑顔で大会への期待を語る羽生善治九段
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