キック時代の那須川天心とRISEで拳を交えた激闘型タイ人ファイターが、ドンピシャの左フックに腰から砕け落ちる衝撃的なKO負けを喫した。その結末をRIZINフェザー級王者の鈴木千裕が“直前”に「この選手は左フックをもらいやすい」と指摘していたことを受け、予想どおりの結末に興奮した実況が「鈴木の左が的中!」と思わず迷言を放った。
1月12日にタイ・バンコクで開催されたONE Championship「ONE Friday Fights 47」。スアキム・ソー・ジョー・トンプラジン(タイ)とアレクセイ・バリカ(ロシア)の対戦は、3ラウンド開始直後の“一撃”決着。
日本でもかつては那須川天心のライバルとして2度の対戦経験があるファンにとっても馴染みのあるタイ人ファイター・スアキム。一時は離婚、自己破産と荒れた生活をしていたが昨年ONEで現役復帰し、対戦成績は1勝1敗。いずれもKO決着で3戦目を迎えた。対戦相手のバリカは昨年9月にONE初参戦を果たした若手のホープでヨッドIQ・オー・ピモンシーに判定勝利している。
63・5キロのキャッチウェイトでのムエタイ戦。ゴング開始からバリカは右を強振してプレッシャーをかける。これにスアキムは下がりながらサークリングしてローを当てていくディフェンシブな立ち上がり。その間もバリカは強烈な右をガンガン振ってくるが、スアキムは冷静にパンチをくぐり抜けてカウンターでストレートを当て1ラウンドを終える。
2ラウンド開始30秒、バリカが左フックでフラッシュ気味のダウンを奪って先制。対するスアキムも20秒後に右でダウンを返す手に汗握る攻防。ギアをあげたスアキムが至近距離からヒジを連打するとバリカがグラつく場面が続く。
すると2ラウンド終了時のインターバルでABEMAゲスト解説を務め、的確な予想が当たると定評のあるRIZINフェザー級王者の鈴木千裕が一言。ややスアキムに傾きかけた展開にも関わらず鈴木は「スアキム選手は左フックを貰いやすい。ワンツーは当たらないが左フックが当たる」と予想したその直後だった。
3ラウンド開始早々、プレッシャーをかけたのはスアキム。しかし、バリカのガードが下がった瞬間、バリカがコンパクトだが強烈な左フックを一閃。後方に倒れたスアキムは腰から砕けて崩壊。身体を起こすが足ピンの状態のまま動けずゴングが打ち鳴らされた。
鈴木の「左の反応が弱い」を裏付けるようなKOシーンに「言いましたよね、ワンツーじゃないフックだと…そういうことですよ!」と予想的中に“ドヤ”状態。実況の齋藤寿幸アナウンサーも「バリカの左、鈴木の左が的中!」と興奮。さらに「深夜1時25分くらいに言いましたね」とアリバイ証言。ファンからも「倒れ方よ…」と衝撃ラストに驚く声に加え「良く見てるな千裕」「千裕予想的中」「千裕やっぱすげえな」と言った声が上がった。
改めて鈴木はリプレー映像を見ながらスアキムのガードが下がった場面に言及。「(バリカが)ワンツーをいっぱい打っていたので、(スアキムの)反応が前に出てしまった。サイドのディフェンスが疎かだった」とワンツーが効果的だったことを指摘していた。