ウィンタースポーツ中に起きる事故は、少しの油断が命の危険につながることもある。トリノオリンピック スノーボード日本代表の成田童夢さんが、ヘルメット着用の重要性について語る。
【映像】脳が損傷し3週間意識不明… プロスキーヤー事故の瞬間
成田さんは、ヘルメットやプロテクターを着用するスキーヤーやスノーボーダーはまだまだ少ないと話す。
「ヘルメットやプロテクターを着けることがダサいだとか、いまだに言われているんだなと驚いた」
きっかけは、スキー場で同じリフトに乗っていた男性とのやりとりだった。そのときの状況をSNSに投稿したところ、6万を超える“いいね”が付いた。
「『おれはこのスキー場で間違いなく一番上手いからメットするのはだせぇ』だの、『プロテクターは甘え』だの言ってたからつい言っちゃったんですよ。『私、こう見えて2回ほどスノーボードで世界一になったことあるんですけど、私含め他の選手もメットとプロテクターは必ず付けてましたよ?』」(成田童夢さんのXより)
成田さんはヘルメットをして顔が隠れた状態だったため、リフト同乗者の男性は、その正体に気づかず、「ヘルメットは飾り」「自分の知り合いのプロも着けていない」などと言い続けていたという。そこで、成田さんは正体を明かした。
「『私、成田童夢といいまして』と言ったら、『はあ?』みたいな感じで顔を覗き込むような感じできた。こっちもゴーグルを外したら、『え、本物やん』みたいな。『トッププロがヘルメットを着けているって確かにかっこいいですね』と、急に言ってたことが180度変わった」
今回、「ヘルメットはダサい」という言葉にあえて反論しSNSに投稿したのは、「ケガや痛い思いをせず、継続的に楽しんでほしい」との思いからだという。
「外国人観光客、特に北米やヨーロッパの方はほぼ100%(ヘルメットを)被っているのではないかなと。日本人でいうと、レッスンを受ける人、そして教える人も着けていないことがほとんど」
日本では、プロでもヘルメットを着用している人は少ないという。実際に、ヘルメットがない状態だと事故の衝撃はどのくらいになるのだろうか。
プロスキーヤーの原田響人さんは2年前、スキーの撮影中に転倒し、前方にあった木に頭を強く打った。この事故で原田さんは脳に損傷を受け、3週間意識が戻らなかった。滑り慣れていた場所だったため、油断してヘルメットを着用していなかったために起きた事故。この経験から原田さんは、改めてヘルメットの重要性を痛感したと話す。
そして成田さんも、雪山で滑る際は誰もがヘルメットをしてほしいと訴える。
「なぜ着けないのかというと、“先輩が着けていないから”、“憧れの人が着けていないから”というのは絶対にあると思う。そういった文化を作ってしまった自分たちも悪いと思っている。だからこそ私は常にかぶろうと思っている」
(『ABEMAヒルズ』より)
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