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【映像】釈放後、CNNアンカーが「Great News」とSNSに投稿
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 2021年5月、静岡県富士宮市で車が道路脇の駐車場に突っ込み、2人が亡くなり、1人がケガを負った事故。アメリカ海軍所属の男性が禁錮3年の判決を受けたが、服役中にアメリカに移送、仮釈放されたことに「なぜ引き渡した?」など賛否の声があがっている。

【映像】釈放後、CNNアンカーが「Great News」とSNSに投稿

 日本でアメリカ兵が公務外に罪を犯した場合、日米地位協定では日本の法律で裁くことが取り決めとなっている。なぜ政府は身柄を引き渡したのか。どう裁くのが公平で公正なのか。『ABEMA Prime』で専門家とともに考えた。

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 外交ジャーナリストの手嶋龍一氏は「アメリカの論理からすれば、日本を守るために駐留している軍人で、確かに交通事故を起こしたかもしれないが、本人は“高山病だった”と言っていると。なぜ日本の監獄にいなければいけないのか、という捉え方があるということだ。法律上違反しているようなこともなく、アメリカでも規則に基づいて釈放されている。ただ、この件が日本で発表されていないのは非常に大きな問題だ」と指摘。

 林官房長官は15日、「(引き渡しは)法に基づいて適切に対応されているものと承知している」とコメントし、米報道では自国で残りの刑期を務めることを認めた国際協定に基づき今回の移送が実現したとされている。

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 手嶋氏は「なんらやましいことがなければ、官房長官や外務省がきちんと言えばいい。知らない間に事が進むと、いかに規則どおりとは言っても、Xで“いまだに日本はアメリカの属国なのか”という意見が出てきてしまう。日米安全保障の現場でこうしたケースをたくさん見ているので、そういう時代は終わりにしなくてはいけない」との見方を示した。

 弁護士・国際人権法学会理事の田中俊氏は「今回の件は政治的な決着ではなく、あくまでも条約と法律に則ってやっている。刑を言い渡された者の移送に関する条約(略称:受刑者移送条約)が、昭和60年ぐらいに欧州の国々が中心になってできた。この条約に入っている国の間では受刑者の移送が可能で、日本もアメリカも入っている。少しアレンジしたい場合は特定の国と結ぶこともあるが、私が今やっている、タイで捕まった日本人を移送して日本で受刑させるのはそのケースだ」と説明。

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 アメリカでは人質を救出したかのような報道がされ、マイク・リー議員上院はSNSに「日本は(米兵の)家族と米国に謝罪すべきだ」などと投稿している。

 手嶋氏は「海外では日本の捜査が一種の人質司法だと言われている。今回のケースもおそらく罪を認めず、逮捕後1カ月以上勾留されて、家族からすると被告がひどい目にあっているという感情があっただろう。そこから大統領にまで訴え、結果救出したと。自由を獲得したということで、まさに勝利宣言のようになっている」とする一方で、「日米は安全保障条約で、有事の時にはともに戦わなくてはいけない。しかし、こんなことを続けていたら、その大きな枠組み自身が崩れていく可能性がある。人質司法ではないと日本政府が思うのなら、世界に対して堂々と反論すべきだ」と主張した。

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 国によって刑罰の重さは変わる。例えば交通に関する刑罰を各国で比較すると、日本の「過失運転致死傷」は7年以下の懲役・禁固または100万円以下の罰金だが、アメリカ・ミシガン州の「交通法規違反致死罪」では1年以下の自由系または2000ドル(約30万円)以下の罰金、イギリスの「不注意・身勝手運転致死罪」では5年以下の拘禁刑または罰金、などとなっている。

 さらに、国をまたいだことで刑期がずれ、国に賠償を求めて裁判している事例も。タイで薬物事件を起こし禁固50年、2002年から現地で服役した日本人男性が、本人の希望・要請で2018年に日本に移送された。現地では度々恩赦を受け刑期が短縮されていたが、日本での服役に反映されず「373日」余分な刑期が判明した。

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 田中氏は「日本の刑務所は顔が青くなって、30日も経たないうちに釈放したが、この373日はどうだったかと。裁判の中で、国は“タイから連絡がなかった”と言っている。国が違っていた場合にはそういう問題も出てくることは付け加えておきたい」と話す。

 手嶋氏は「敗戦国の日本が対等になってきている大きな流れがある一方で、実際には今回のようなことが起こる。厳しい国際情勢の中、これは非常に危険な要素。議論を尽くしておくことに加えて、政府も日本国内へもアメリカ側へも堂々と説明してほしい」と再度訴えた。(『ABEMA Prime』より)

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