国内6都市を繋いでいる航空会社のスターフライヤーが、これまで北九州・羽田線限定だった小型の犬や猫のペットの客室同伴を国内線全路線に拡大した。料金は片道1匹5万円。規定のケージに入ることを条件に、最後列の窓際に固定した上で、飼い主は横に座ることができる。
【映像】JAL機炎上事故、乗客は全員避難...貨物室のペット2匹は救えず
喜びの声があがった一方で、「アレルギーの乗客はどうすれば?」「動物嫌いの人もいるのでは…?」と不安視する意見も。また、国の指針ではペットは手荷物扱いのため、スターフライヤーでも緊急時にはペットの持ち出しは禁止となる。
年明けに起きた羽田空港でのJAL機炎上事故が記憶に新しいが、家族同然のペットをどう扱うべきなのか。『ABEMA Prime』で考えた。
■ペットの客室同伴にあおちゃんぺ「何かあっても置いて逃げられない」
エシカルライフディレクターの山中安澄氏は「やむを得ない場合」に限り、客室なら乗せてもいいとの考えを示す。
「私は保護猫・保護犬の活動をしているが、例えば沖縄ではその数が多いので、東京など数が少ない地域へ運ぶ手段としては空輸が必要だ。その子たちを救うために、東京など数が少ない地域へ運ぶ手段としては空輸が必要だ。また、飼い主が旅行や引っ越しをしないと考えていても、親の危篤など不測の事態は絶対あるので、そういう場合は乗せる。ただ、暗くて飼い主がいつ来るのか分からない貨物室にいるよりは、客室のほうが負担も少ないのではないか」
飼い猫「なると君」を溺愛し、客室でも貨物室でもペットの同乗に反対しているギャルタレント・あおちゃんぺは「旅行に連れて行きたいとか、自分の楽しみやアクセサリー代わりに動物を使う人は大嫌いだけど、本当に命がかかっている場合は理解できる」と話す一方で、「何かあったとしても私は置いて逃げられない」と緊急時の対応に疑問を投げかける。
元日本航空のキャビンアテンダントで、筑波大学客員教授の江上いずみ氏は「今回の事故で乗務員がお願いしたのは、荷物を置いていくこと。スターフライヤーの規定でもペットは荷物扱いになるので、緊急時に持って出られないことが明言されている。ただ、ケージから出して抱いて逃げてしまいたくなる心情も分かるので、そこをどうするかが大きな問題だと思う」と懸念を示した。
また、ペット同乗時のトラブルとして「動物アレルギー」「鳴き声・臭い」「機内での粗相」などが考えられる。江上氏は「食べ物アレルギーは事前予約で航空会社に申告するが、動物アレルギーはほとんどの人が申告しない」と指摘。
あおちゃんぺは「赤ちゃんの泣き声も許容できない時代に、ワンちゃんの鳴き声もあったらみんな正常な判断ができるのか」「ペット同乗者だけが乗る便と、そうじゃない人の便で、完全に分けたほうがいいと思う。その上で、掃除が行き届いていない場合を考えて最後の便にする」と提案した。
■海外では同乗が普通? 落としどころある?
海外航空会社の中で、ユナイテッド航空、ルフトハンザ航空、大韓航空の3社は、要ゲージでペットの客室同伴ができる。山中氏は「国外だが、緊急時は一緒に逃げていいという航空会社がある。ペットを連れている方専用の相乗りプライベートジェットも、路線は限られるが存在している」と説明。
また、同乗できるペットの線引きについて、「質量や頭数も決まっていたりして、重いと機内持ち込みの手荷物と合わせて12キロまで、少ないところでも9キロぐらいまでOKだったりする。さらに、客室に入る場合、最初に乗って最後に降りるという決まりなどもあるので、そうなれば混乱は抑えられるかもしれない」と補足した。
手荷物を持って逃げたいと希望する人も出てくるのではないか。「有機物なのか無機物なのかで、今のフェーズでは線引きができると思っている」とした上で、「EU内ではペットのパスポートがあるなど、動物の権利が他の先進国では確立されている。犬の保育園などもあるので、きちんとしつけもされている。なので、デパートに入れるし、電車やバスも乗れるのが普通だ。他の航空会社がやっているならできるのではないか。アレルギーがある方たちに配慮した上で、みんなが幸せになれる着地点を見つけていくべき」と投げかけた。
あおちゃんぺは「やむを得ない場合は、たくさんはないと思う。ちゃんとしつけるとか、法律とか、そういうものをやった上で乗せるか・乗せないかだと思うので、うまく落としどころを作りたい」とした。(『ABEMA Prime』より)
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