キャスターの安藤優子が『徹子の部屋』に出演し、老人性うつになった母が介護施設で再生の兆しを見せたエピソードを告白。「臨床美術」をきっかけに個展を開くほどになり、「ものすごく穏やかになった」と語った。
1月24日(水)、黒柳徹子の『黒柳の部屋』(テレビ朝日系列)が放送。キャスターやジャーナリストとして40年近く報道に携わってきた安藤優子が出演した。安藤の母は70歳を過ぎてから“老人性うつ”に。きょうだいが交代で介護していたが精神的にも体力的にも限界を迎え、母を高齢者施設に入居させたという。
最初の頃は「こんなに苦労して育てたのにこんな仕打ちを受ける言われはない」ときょうだいを罵倒していた母。しかし、施設で出会った「臨床美術」が母の転機になり、個展を開くほど前向きになったという。
安藤は「臨床美術というのは一種の回想療法」と紹介。花を目の前にしてもすぐに花を描くのではなく、花にまつわる思い出などを一緒に語り合い、最後の10分で絵を描くような療法と語った。
安藤は母が描いたアンスリウムという花の絵を見せ、「この絵を描いたときに、初めて『よくできた』と言ったんです」と母の自己肯定感が回復した瞬間を感じたそう。「母は旅行もご飯もお友達と会っておしゃべりすることも大好きだったのに、認知症になってすべてを奪われてしまったんです。それが母の怒りの正体。自己否定だった」と説明し、「でもこの絵を描いたときに『よくできた』って自己肯定をした。そこからホームでの生活は一変して、ものすごく穏やかになった。自己否定の嵐が治まった」と転機を語った。