元K-1三階級王者の武尊(team VASILEUS)が、ONEデビュー戦でONEキックボクシング世界フライ級王者スーパーレック・キアトモー9とのタイトルマッチに臨み、無念の判定負け。ONEデビュー戦で、世界の大きな壁が立ちはだかった。世界に“日本のキック界に武尊あり”を実力で示すことはできなかった。武尊は試合後に病院へ直行。囲み会見に姿を現すことはなかった。
28日、“世界最高峰の格闘技イベント”ONE Championshipの約4年ぶりとなる日本大会「ONE 165: Superlek vs. Takeru」が東京・有明アリーナで行われ、メインイベントで日本キック界のエースが悔しい敗戦を喫した。
ONE日本大会出場&ロッタン・ジットムアンノン戦発表から、ロッタンの負傷欠場、そしてスーパーレックとのONEキックボクシング世界フライ級タイトルマッチへの変更もあった武尊。大一番に向けて思わぬ展開に対しても「ONEデビュー戦、ONEのタイトルマッチを日本で出来ることがうれしくて光栄です。格闘家人生と日本の格闘技を背負って、必ずスーパーレック選手を倒して、世界最高峰のONEのベルトを必ず獲ります」「泥臭くても、ボロボロになっても勝つ」など、力強くファン、そして自らに誓っていた。
2022年6月に東京ドームで行われた『Yogi presents THE MATCH 2022』で、現在はボクシングに転向した那須川天心とのキック頂上決戦に敗れて以降、休養、復帰を経てISKAのK-1ルール世界61キロ級の世界王者に輝いた武尊。
K-1時代は常にKO勝ちを宣言し、豪快なKO勝利後には「K-1最高!」とファンや団体の思いを背負ってきた武尊が、自らの格闘人生をかけた大一番で豪快KOでの復活とはならず、悔しい敗戦を喫した。戦前、ONEのチャトリCEOは「武尊にとってはグローバルスーパースターになるチャンス」と期待を示していた。しかし、武尊は“日本から世界へ”羽ばたくビッグチャンスをものできず…非常に悔しい敗戦となった。
試合後のマイクでは人目をはばからず号泣。「今日会場に集まってくれるみんなにパワーを与えたかったんですけど、そのために今できる限界ギリギリのところまでやりました。絶対に勝って、みんなに武尊についてきてよかったって思ってもらいたくて…死ぬ気で頑張ってきたんですけど、今ホント、地震とかいろんなことあって、つらい思い、苦しい思いしてる人たちに、僕が命懸けで戦って頑張ってればいいことがあるって見せたかったんですけど、いま、ぼくができる限界はここまで。これ以上、僕はもう体を作れません」と述べた。