新幹線の車内販売で使用されていたワゴンが50台限定で抽選販売を行うようだ。
 
【映像】10万円の車内販売用ワゴン、どんなもの?
 
 昨年10月から、東海道新幹線「のぞみ号」と「ひかり号」で車内販売が中止され、さらには山陽新幹線も今年3月で車内販売を終了することが決まっている。ネットでは「悲しい」「荷物が多いときは車内販売が超便利」「何気に新幹線のワゴン販売って楽しみだったのに」と残念がる声が相次いだ。
 
 そんな車内販売で使われていたワゴンが50台限定で販売される。株式会社JR東海リテイリング・プラスの山田雄大さんによると、「大体5年から最大10年程度、パーサーが車内販売で実際に使ったもの」とのこと。販売用ワゴンは、高さ110㎝、奥行き94㎝、幅33㎝。3段のカゴの他、引き出しやポケットが付いている。山田さんは、使い道について「職場でお使いになるという方、自宅で使われるという方がいらっしゃった。あと、キッチン周りで使いたいとか、調味料を載せたいとか、ラップやお米を載せたい」といった声があると説明した。
 
 実際に車内で販売していた元パーサーで鉄道タレントの古谷あつみさんもイチオシ。「かなり(モノは)載る。ビールは1ケース(24本)丸々入る。アイス・お弁当とか鉄道グッズお菓子等々。満タンに載った状態だと50キロぐらいはあると言われている。収納ボックスとしては、かなり実用性があるんじゃないのかなと思う」とした。しかし移動させるのはコツが必要だという。「なかなか慣れないと、まっすぐ進むのも結構難しい。色々入った状態だと。前輪と後輪が違う向きを向いていると、それをまっすぐするコツがあるが、最初、それを掴むまでは難しい」と語った。
 
 さらに、このワゴンには秘密があるそうだ。古谷さんによると、「皆さん、実は結構知らない方が多いが、ワゴンの中にビールが載っていて結構冷えているが、あれは直前まで冷やしたものをドライアイスで保温しているだけなのでワゴン自体に冷蔵機能はない。硬いアイスというのは一般の冷蔵庫ではなく、ものすごく冷やせる業務用の冷蔵庫のようなものがあればできるんじゃないかと思うが、通販で買ってもあそこまで硬いアイスはなかなか難しいと思う」と冷蔵・冷凍機能がないことを明かした。
 
 その一方で、1946年から60年もの間、抜群のホスピタリティを提供し続けてきた車内販売用ワゴン。揺れる車内で使用するため、安全面も考慮された設計になっているという。
 
「新幹線はやはり高速で走行している中で販売して、お客様の横でピタっと止めて販売をさせていただかないといけないので、1台1台に必ずしっかりとブレーキが付いている。それもオンオフ足でするのではなく、手元のところで握るとブレーキが解除されて、離すとブレーキが効くという風になっており、誰かが操作していない時は必ずブレーキが付いた(利いた)状態でワゴンが止め置かれるようになっている」(山田雄大さん)
 
 抽選申込受付期間は、2024年1月29日(月)から1週間設けられている。価格は送料込みで10万円(税込)で、50台限定で抽選販売される。