千葉市消防局の男性隊員が去年11月、酒気帯び運転で追突事故を起こし懲戒免職となったことを受けて、同局の全局員で禁酒する対応を決めたことが物議を醸している。
【映像】全職員、禁酒のワケとは?消防局職員が回答
逮捕された消防士は懲戒免職処分となったが、ここで行われたのが全職員の禁酒だ。千葉市消防局は去年大みそかまでの1か月半、市の消防局全職員約960人に禁酒するように通知。その措置に「連帯責任はやりすぎ」などの声もあがった。
実際に消防署を直撃すると、千葉市消防局人事課の高橋清和氏は“禁酒“について「飲酒を伴うもの、アルコールは飲まない」と説明。「約1000人、連帯責任ってことですよね?ちょっと厳しくはないですか?」という問いに、高橋氏は「連帯責任ということで取り組んでいるものではない」と前置きして「私ども消防職員というのは市民の皆様の信頼の上で成り立っている職業だと思っていますので、この禁酒の期間をもって、消防職員としての行動とか心構えを見直す期間」と目的について説明した。
高橋氏によれば「1人だけの違法行為に対して全職員が禁酒はおかしいのではないか?」「真面目にやっている職員が割を食ってしまう」といった意見も寄せられているそうで「まずそういった意見に対して感じましたのは、今回飲酒運転をしたのは1人の職員で、他の職員が一生懸命やっているというのを皆さん、理解していただいているんだなということに、大変ありがたいなと思っている」と意見を述べた。
その上で禁酒を通達したことについて「今まで私も消防局として不祥事の発生防止にいろいろ手を尽くして努めてきたが、それなのにこういった飲酒運転という不祥事が起きてしまったことを踏まえて、自分たちの行動を見直す期間として禁酒を実施した」と理解を求めた。その後、千葉市消防局の職員は年末までの禁酒を守り切ったという。
文筆家の古谷経衡氏は「これは連帯責任ではないと仰ってましたが、事実上は連帯責任なわけであって。家で飲んだらわからないってこともありますけれども。一番悪いのはお酒を飲むことではなく、お酒を飲んで運転するのが悪いのであって。その線引きは相当違う。だから僕はそこまでしなくてもよかったんじゃないかなとは思う」とコメント。
元徳島県警警部の秋山博康氏は「公務員というのは地方公務員法という法律がある。そこで服務規定があって。たとえば信用失墜行為したらダメですよとか、そういうところがある。職務に専念しなさいよと。そういう規定があるので、そういう失墜した行為に対して今後そういうことをさせない、再販を起こさせないために、規定を設けたんでしょうね」と、千葉市消防局の判断に一定の理解は示しつつも「ちょっとやりすぎかなと」と、古谷氏と同様の感想だった。
(『ABEMA的ニュースショー』より)